出版社内容情報
被爆したその日から「生」が始まった男が過去と行く末に思いをはせる「鳥」ほか、長崎の爆心地周辺で生きる人々を描く連作短篇集。
内容説明
私がだれでありどこからきたのか、六十年以上の時が流れて私にはもう調べるすべもない。わかっているのは私は昭和二十年八月九日十一時二分の白い光の中から現れたことだけである。私の戸籍上の誕生日はその日になっている(「鳥」)。被爆地で生きる人々の原体験と、その後の日常を描く作品集。
著者等紹介
青来有一[セイライユウイチ]
1958年長崎県長崎市生まれ。長崎大学教育学部卒業。1995年「ジェロニモの十字架」で文學界新人賞、2001年「聖水」で芥川賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウララ
3
『桜庭一樹読書日記』で知らなければ絶対読まないジャンルの本だった。短編集。キリスト教への信仰と長崎の被爆をからめた、弱い心を持った市井の人々の物語。「石」「虫」が印象に残った。2011/08/20
fu-ko
3
神を信じる人は幸福なのか不幸なのか?あまりに理不尽な出来事にあったとき神の存在は揺らぐのか?信仰を持たない私には分からない。青来さんの他の作品も読んでみたい。2010/02/26
どん
2
長崎に投下された原爆の傷跡とキリスト教の信仰とが絡み合った短編集。6つの話はそれぞれ時代や生きる環境が異なり、いろいろな視点から作られていて、それぞれに特徴がある。それぞれの主人公が原爆経験を背負っていたという感じで、つらく苦しく重たいではなく、とても人間ぼかった。2025/04/30
たぶん
2
・各章のタイトルの付け方が秀逸 ・地図を広げて読むとさらにいい ・「鳥」がいろいろな伏線を回収 2025/03/22
Cinnamon
2
幾つかはとにかく読みにくい、というものもあった。短編ゆえの入り込めなさ。苦手。2020/03/20
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