風に舞いあがるビニールシート

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163249209
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。

著者等紹介

森絵都[モリエト]
1968年、東京生まれ。早稲田大学卒業。90年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で第2回椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で第33回野間児童文芸新人賞、第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で第20回路傍の石文学賞を受賞。『つきのふね』で第36回野間児童文芸賞を受賞。『カラフル』で第46回産経児童出版文化賞を受賞。同作品は映画化され話題となる。『DIVE!!』(全4巻)で第52回小学館児童出版文化賞を受賞。初めて児童文学の枠を超えて綴られた『永遠の出口』で第1回本屋大賞第4位に選出。『いつかパラソルの下で』で直木賞候補。あたたかくて力強く、深い作品世界は幅広い年代の読者に支持されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

248
直木賞】 短編六話。器を探して、犬の散歩、守護神、鐘の音、ジェネレーションX、風に舞い上がるビニールシート。軽快な物語展開と主人公に寄り添う著者。2014/02/19

文庫フリーク@灯れ松明の火

123
「風に舞いあがるビニールシート」タイトルで軽やかな作品と思い込んでいました。ビニールシートのように軽々と、もみくしゃになって吹き飛ばされていく命・尊厳・ささやかな幸福。真っ先に飛ばされる弱い立場の人たち。直接その人々を描くのではなく、国連難民高等弁務官事務所に勤務する里佳の仕事と結婚を通した視点と決断。棲む世界の違いはあれど「犬の散歩」の、ちょっとしたきっかけで《自分には関係ない、と目を背ければ済む誰かや何か》の為に何かをしよう、と思う恵利子に重なります。取材と参考資料か巧みに活きた「鐘の音」→続く2012/04/16

パフちゃん@かのん変更

119
直木賞受賞作。国連難民高等弁務官事務所に勤める男女の話。風に舞いあがるビニールシート、誰かが手を差し伸べて引き留めなければならない。エドは各地の難民キャンプで被災者の救済に携わっている。里佳はエドを誇りに思いながらも子どもを産み育てたいと願っている。コソボやアフガン、現地は今もこういった状況なのだろうか。最後にアフガン行きを決意した里佳。重い内容で二人の愛が切ないが前向きな終わり方。表題作以外の短編もどれも良かった。どれも葛藤があるが、ジェネレーションXの石津が爽やかで好き。2015/07/10

修一郎

115
自分だけの何かを大切にして生きている人のお話。清涼感ありました。でも口当たり良すぎ。カルピスソーダみたい。6編入っていて,いずれもちょっと専門的で,楽しい勉強感あります。気に入ったのは1)鐘の音2)ジェネレーションX3)守護神。不器用な人間が自分なりの一所懸命を全うしようとするところがイイ。他の3話は恵まれた人の贅沢な自分探しみたいで共感できず。'器を探して'風に舞いあがるビニールシート'に至っては中身はベタベタ恋愛話,私には合いませんでした。森絵都さん,文章が巧くて洒落てる。私には軽すぎ。2014/04/21

R

102
短編集でした。表題作だけ毛色が違い、国際問題を扱うセンシティブな内容だったけども、根っこでは一個人の感情や人生というものを扱っていて興味深く読めました。関連性のない短編の集まりだけども、主人公なり、脇役なりの人物像や心情の描写が面白く、物語よりも、その人というものを味わう話だったように思う。個人的には、器を探しにいく話が好きで、面白いと怖いが同居する感じを楽しめました。2020/10/21

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