内容説明
あなたは今日から「有栖川識仁」さんです。人生は“配役”の問題だ。殿様面の大部屋俳優と、馬鹿で酒乱で美貌の華ちゃん。二人を拾った“川獺のお月さん”は、偽の華族の結婚でひと儲け…。人間の可笑しさ、そして哀しさを絢爛豪華な七色の筆致で描く。
著者等紹介
久世光彦[クゼテルヒコ]
1935年東京生まれ。東京大学文学部美学科卒業後、東京放送を経て、79年にカノックスを設立、ドラマの演出を手がける。92年「女正月」他の演出により芸術選奨文部大臣賞受賞。93年『蝶とヒットラー』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、94年『一九三四年冬―乱歩』で山本周五郎賞、97年『聖なる春』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『蕭々館日録』で泉鏡花文学賞受賞
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感想・レビュー
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マリ
1
有栖川宮詐欺事件(懐かしい!)がモチーフの、どこか滑稽で物悲しいお話でした。 久世さん、演出家らしく香りや色彩が想像しやすい文章で、とても好きな作家さんでした。亡くなられたのがいまだ残念でならないです。亡くなってもう11年になるんですね。「人生は配役」、その通りだなとしみじみ。 2017/06/19
やまちゃん
1
皇族・華族に成りきり、嘘の挙式を上げ、セレブなゲスト達からご祝儀をまんまと騙しとる(/_;)/~~ こんな事件が実際にありましたよね(笑) でも、詐欺を目論む3人に悲哀が感じられて…上手くいきますように!頑張って!、応援してしまいました(*^^*) こんな大博打・狂言を演じてみたいですね~☆ 人生は配役。いい言葉です\(^-^)/2014/12/02