内容説明
利根川に浮かぶ若い女の死体、北関東の町に起こる不可解な事件と死者のメール…。この不条理な不在に、あなたは耐えられるか。
著者等紹介
宮沢章夫[ミヤザワアキオ]
1956年、静岡県生まれ。劇作家・演出家・作家。多摩美術大学中退。京都造形芸術大学助教授。演劇制作ユニット、「遊園地再生事業団」主宰。1993年に『ヒネミ』で岸田国士戯曲賞を受ける。1999年の「サーチエンジン・システムクラッシュ」は初めての小説にして芥川賞候補作となった。ほかに『牛への道』『青空の方法』『茫然とする技術』など、ユーモラスなエッセイ集にも人気と定評がある
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感想・レビュー
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Ayumi Katayama
18
ああ。なんだかわからないことだらけのまま終わってしまった。引用、参照とされている四つの文献をめくればもう少し理解し得るのだろうか。長い一文が連なる文章、前後する時間、交差する人物関係。軽く二度読み。メモをとりながら、時間人物を整理しながら。牟礼秋人はとうとう現れなかった。2019/08/16
どらがあんこ
11
文体やプロットが面白く流れるなと思って読んだ。『サーチエンジン・システムクラッシュ』のときも感じたが文体が面白いなと。汲み取れないなと思いつつも牟礼秋人の名前が砂のように残る。ざらざら。2018/11/16
かすみ
9
予備知識がないせいか、かなり内容が難しかったです。独特な文章です。2024/01/29
タキタカンセイ
3
以前から観たいと思っていた「イエローストーン」というドラマをやっと観始めたのだけど、ネオウエスタンという形式のシェークスピア劇になっていて、この小説も北関東版シェークスピアなのが偶然というか、シェークスピアはすべての物語の基本なのだなと改めて思いました。荒涼とした土地、膠着した人間関係、そこでは「ドラマ」さえも展開せず、あるのは停滞か破滅のみ。ゴドーを待つように「ハムレット」を待つ登場人物たち。きわめて演劇的な小説だと思いました。2024/08/04
林 一歩
2
単純な二元論で言えば面白くない。だけど妙に心の隅の突起に引っかかる作品。2012/04/25