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汐留川

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  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163234106
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

王冠の形を模したような日劇、軍艦ビルの異名をとり重厚感溢れる朝日新聞社屋、新橋を渡る都電…。昭和三十年代の銀座の風景は、半世紀近くを経て大きく様変わりした。卒業から四十年ぶりに小学校のクラス会が開かれることになり、幹事の達也が思い出すのは、転校していった百合と二人して外濠川でボートに乗ったこと。彼女は今日来てくれるだろうか―。日劇、朝日新聞社屋、都電、そして外濠川…。昭和三十年代の銀座の情景が甦る表題作など、都会を舞台にしながら、郷愁を誘う大人のための小説集。

著者等紹介

杉山隆男[スギヤマタカオ]
1952年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。読売新聞記者を経て、著作活動に入る。1986年、初めての長篇『メディアの興亡』で第十七回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1996年『兵士に聞け』で第九回新潮学芸賞を受賞している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

26
そろそろ人生の折り返し地点を迎える男たちが語る思い出。人は誰しも過去を思い出す時には、美しく思い描いてしまうことがある。男性が主人公とあって、感情的な雰囲気はみじんも感じられず、淡々と物語は進行していく。男と女ではやはり生まれたときから何かを背負わされて生きている男にはいくら男女平等なんて叫んでも敵わないような気さえする。男の生き様みたいなものがいっぱいで…久しぶりに心が揺れた気がします。杉山さんの作品初読み。他の作品も読んでみたいと思います。2011/06/22

takao

3
ふむ2024/03/14

ko-sight

1
昭和30年前半のまだ川があった銀座、角筈と呼ばれていた新宿歌舞伎町、神田古本屋街などを背景に、淡くはかない人とのつながりが記された本。過去の情景がじんわりと思い起こされる本だった。2016/12/08

藤枝梅安

1
カバーの絵がきれいだったので購入^^;。著者略歴を見ると、元新聞記者で、「硬派」な作品を書いていた人だったので、少し身構えて読み始めた。が、淡々とした文章には確かな息遣いが感じられ、地に足が着いた「大人の小説」の趣がある。収録された7編は、いずれも50代前半の男性が主人公であり、仕事上は昇進の道が閉ざされ閑職を与えられても腐らずに続けている、という男達である。2009/07/25

おたきたお

0
看護士と難病の子どもを描いた「天使の見習い」以外は中年男を中心に据えた短編小説集。板さんの初恋の思い出を描いた「汐留川」や、亡き父親の隠された一面を発見する「手の中の翡翠」「散骨式」も面白い(「散骨式」は『半落ち』を思い出させる)が、個人的には「卒業写真」が印象深かった。主人公に「おき忘れてきた自分がいる。他人が覚えているのに、自分は覚えていない自分がいる。記憶の中の自分だけが、すべてではないのだ。他人の中で息づいている、知らない自分もいる。この街と同じことだ」と心中で言わせている。全くその通りだと思う。2006/01/01

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