内容説明
義経、頼家、実朝、公暁…源氏の血が滅びてゆく。武者どもの夢と、壇ノ浦、平泉、鶴岡八幡宮の悲劇。
著者等紹介
高橋直樹[タカハシナオキ]
1960年、東京生まれ。92年に「尼子悲話」(『闇の松明』に収録)で第72回オール読物新人賞を受賞。97年に『鎌倉擾乱』で第5回中山義秀賞を受賞するなど、本格的な歴史作家として活躍している
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感想・レビュー
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さつき
21
読友さんの感想を拝見して読みました。源頼朝に連なる人びとを描いた短編集。頼朝の子、頼家、実朝。弟、義経。孫、公暁、禅暁。源家の血筋は非業の死を遂げる人ばかりですね。武家政権を作り上げていく過程では非情にならないと仕遂げられないことも多いのでしょうが、ここまで悲劇が続くのは陰惨極まりないです。少年時代の実朝と船遊びするシーンでは頼朝の父としての情愛が見られ、少しほっとしました。ただその思い出がラストシーンで甦り、より切なかったです。平時忠や和田義盛など源家の人以外の人物造形もさすがで心に残りました。2016/03/19
Book Lover Mr.Garakuta
9
図書館本:速読。歴史に暗いので、そうなのかと思う。2019/02/10
ツカモトカネユキ
3
2004年発行。2002年初出から書き下ろしまで四篇の短編からなる物語。最初の物語と最後の物語を一連の縁起として繋がります。タイトルにあるように鎌倉幕府の始祖、源頼朝にまつわる不穏な物語。鎌倉幕府設立から、源氏三代の因縁をはじめ関係者を巻き込んだ裏切りの話が満載。登場人物の殆どが不穏で少し滅入ります。日本の歴史でも武士台頭のこの時代もなかなかの暗黒ぶり。沈鬱な気持ちになります。同時代をモチーフにした少し明るい物語を探してみたくなりました。2024/02/11
りうかん
0
作者初読。頼朝という呪い?に取りつかれた人たちの短編集、みたいなものでしょうか。実朝の話が一番興味深く読めたが・・・全体的に内容が暗い。とはいうものの、鎌倉3代の時代の小説なので、暗くても仕方ないのかと(笑)暗い話が嫌いな方はご注意を。この短編小説の中で幸福な、または報われるような主人公はだれもいないしみな結構悲惨な目にあってます。2018/01/08
ほうすう
0
鎌倉武士というか頼朝にちょっと関わりのある人物たちに焦点をあてた短編集。直接的な関りを持つ人物が少ないせいか頼朝という幻影が必要以上に大きく、不気味に描かれている。個人的な好みでいうと暗くて重くてちょっと線の細い人物ばかりが描かれていてあんまり読んでて楽しいものではなかったかなといった印象2017/09/28