出版社内容情報
一向宗を信仰、独自に自治を貫いてきた地・桑名は、急速に勢力を伸ばしてきた織田信長の脅威にさらされるが―。壮大な歴史ロマン
内容説明
古くから一向宗を信仰し、“上なし”の自治を貫いてきた伊勢・長島。しかし、急速に勢力を伸ばしてきた織田信長の脅威にさらされることに―。強大な織田の軍勢と、商人や農民も含む長島一向宗門徒の熾烈な戦いの果てに、救いはあるのか?清張賞作家が書き下ろした、渾身の歴史スペクタクル。
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。一橋大学経済学部卒業。96年「一所懸命」で小説現代新人賞、98年『簒奪者』で歴史群像大賞、03年「村を助くは誰ぞ」で歴史文学賞を受賞。同じく03年に第十回松本清張賞を受賞した『月ノ裏惣庄公事置書』は、新しい歴史ミステリとして大きな注目を集めた
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感想・レビュー
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藤枝梅安
1
◆主人公は坂田弥三郎という商家の庶子である。 惣領たちが次々と命を落とし、惣領の座につくことになった弥三郎は 織田の要求を拒否し、石山本願寺から派遣された僧侶たちの命に従い、織田勢の矢面に立たねばならなかった。 弥三郎をはじめとする住民たちが最後には織田軍の焼き討ちに遭い、 全滅するまでの過程と人々の悲哀を描いている。2009/07/12
クルミパン
0
乱世の時代に「南無阿弥陀仏」を唱えれば浄土できると信じていた門徒宗たちの悲劇を描いた小説。いとと赤子が念仏を唱えながら死んでいく一方、極道坊主のなんと見苦しい最後か。これが人間の本性なのか。信長よりも本願寺に対して強く憤りを感じさせる作品でした。2013/01/17