出版社内容情報
文学の冒険、その全てがここに!
21世紀のザムザが語る「最後の変身」からメタフィクション「『バベルのコンピューター』」まで、小説の企てがぎっしり詰まった作品集。
著者等紹介
平野啓一郎[ヒラノケイイチロウ]
1975年、愛知県生まれ。京都大学法学部卒業。99年、大学在学中に投稿した『日蝕』で第120回芥川賞を当時史上最年少で受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kumiko
28
一見「ちょいと気分転換」とは対極にあるような短篇集。しかしあまりに巧みな心理描写に引き込まれ、「ありふれた日常の中にいながら全く別の空間を彷徨う」ような感覚にさせられた。ある時は借金で首が回らなくなった女に。ある時は校区外の海まで自転車で冒険する小学生の兄弟に。そしてある時は父親を亡くし葬儀を終えた男に。「初七日」において、この父親の戦争体験の回顧シーンがとても印象的。戦地から引きげてすぐの父を知っている長男と知らない次男では、父そのものの印象が全く違う。自分自身の兄弟においても言えるのかも、とふと思う。2016/10/07
山田ケンタ
4
この小説集があまりに人に読まれていないのは、心底不憫である。何度目かの再読。2014/09/19
mako
3
いろいろな書き方が試みられており、守備範囲の広さは驚嘆もの。ただ、読み手の力不足でついていけない作品もあった 。2023/05/04
助作
2
色々実験的な作品も並ぶ短編集。前半の作品は共感できるものもあったが最後の二篇が形式的にも内容的にも読むのがしんどかった。それでもなんとか読了。2024/08/16
ままちよ
2
波打つ磯の幼い兄弟が一番印象に残っています。最初っから、大丈夫かなと心配しながらドキドキ読み進めていき、最後はどうなったのでしょうか?初七日も、みんなの気持ちがが丁寧に描かれていてよかった。 他の書評で最後の変身が一番よかったって書かれていて楽しみにしていたけど、私は苦手でした。 これで、平野啓一郎制覇でーす!!新作待ってます2023/09/21