内容説明
人間の天敵は人間である。人間は社会的動物である。一人で暮らすよりも、集まって協力して暮らす方が、より高度な文化的生活を維持できる。しかし、人間が集まりすぎると、生存競争を生み、悪意や憎悪を培う。本来は幸福探究のための社会的システムが、人間不信のシステムとなる。人間は人間の天敵であってはならない。だが、現実には、相互に天敵同士となった人間が社会を形成している。この、社会の病蝕に特効薬はあるのか。本書は、その悲願を込めて書いた作品である。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県生まれ。青山学院大学を卒業後、9年間のホテルマン生活を経て作家活動に入る。『高層の死角』(第15回江戸川乱歩賞受賞)、『腐蝕の構造』(第26回日本推理作家協会賞受賞)、『人間の証明』『悪魔の飽食』『人間の条件』など数多くのベストセラー作品を著し、社会派推理小説の世界で不動の地位を築く。2003年、第7回日本ミステリー文学大賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメフトファン
28
人間の証明と同じ作家さんという事はよくわかりましたが、どの作品も小粒で今一でした。2015/03/23
ミーママ
18
図書館の本。 私が子供の頃からたくさんの本を出版されていた作家。 子供の頃に観たドラマの『人間の証明』を思い出した。2017/10/29
石田 正直
1
わかりやすかった。2016/01/10
火星人碧
0
全4篇すべてが会社人を主人公とし、組織と個人という対比をモチーフに物語を展開させている。家族に見向きもされなくなった椎津、夢半ばで散った友人を見て脱サラに勝負をかけた前原、終の棲家で第二の人生を愉しみはじめた田代、気の緩みから自分を追い込んでゆく相田、それぞれがそれぞれのやり方で会社という組織と戦っている。そして脇役なのに存在感の光る笹野。作を追うにつれ人物像が見えてくる。この存在がすべてのキーマンになっているところがおもしろい。2015/11/16
北浦透
0
「人間の天敵」・・・前半は、ひたすら哀れなホテルマンの人生。時代錯誤感は覚えなかった。というのは、森村さんは、強めに抉りだしているだけだと思うから。「ラストシーン」・・・一人の男が、「レコンキスタ」をおびやかしていく展開にザワザワ。この物語のラストシーンは、それこそ印象に残った。「殺人のフェロモン」・・・うーん、自分は苦手なジャンルで、読み進められない。「複眼の凶像」・・・旅先のアバンチュール、男心をわかっている。意外な展開がミソ。全編を通して登場する笹野老人こそ、この短編集に良い味を与えている。2014/03/22
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