内容説明
一九八九年七月、上海天安門事件の余燼くすぶるなか、中国大陸に消えた父を追って魔都に降り立った男が出会ったのは女、逃亡リーダーの恋人。一九九五年一月、神戸震災の朝、瓦礫の街をさまよう二人。この恋はどうなる?父との再会は果たせるのか。
著者等紹介
辻原登[ツジハラノボル]
1945(昭和20)年和歌山県生まれ。90年「村の名前」で第103回芥川賞受賞。99年「翔べ麒麟」で第50回読売文学賞、2000年「遊動亭円木」で第36回谷崎潤一郎賞を受賞
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感想・レビュー
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withyuko
2
図書館本。で、返却期限が今日なので、まだ全部読めたわけじゃなく、読了してません。辻原登さんは、「韃靼の馬」がすごく面白かったので、ラブストーリーと聞いて借りてみましたが、神戸の中国の人が経営する今はフレンチレストランで異父兄妹が食後にジャスミンティー(にミルク入れたりするんですね?!)飲んでるところとかはサッと入れたんですけど、何か上海に行くあたりでややこしそうでページをめくる手が進みません。う~んダメです、私。ラノベ脳なのか?2019/12/15
Panda
0
神戸と上海を舞台にした、世代と国籍を超えたラブロマンス&サスペンス。文革、天安門事件から阪神・淡路大震災まで取り込んでいて、スケールが大きく読み応えのある物語でした。これだけいろんなこと詰め込んでいるのに、なんかサラ~って勢いで読めるのは作者の力量の現れだと思います。 2015/04/16
みるちゃん」
0
図書館で借りて読みました。辻原さん読むのは二作目ですがちょっとハマりそうです。長い小説ですが、恋愛小説でもあり、中国情報小説でもあります。ふと池澤夏樹さんを思い出すような構成です。たいへん面白く読ませていただきました。2014/07/07
直
0
偶然が多すぎて興ざめ。2010/09/15
聖月
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〇話は“鼎鼎(テイテ)”というレストランで、大人の兄妹が鯔(ボラ)を使ったフランス料理を味わいながら会話を重ねる場面から始まる。二人の中国への現在のかかわり方、そういうものが徐々に明らかになる中で、兄である主人公は、その昔中国で逮捕されたまま行方の知れない父親が生きているという消息を頼りに、海路上海へ向かうのである。一言で本書の魅力を言い切ろう。綺麗な小説である2005/02/23