内容説明
五年前に老人を次々と殺害した少年が、少年院から戻ってきた。母親や刑事、カウンセラー、被害者の孫たちを巻き込んで、やがて起きる新たな事件―。著者会心の長篇エンタテインメント。
著者等紹介
永井するみ[ナガイスルミ]
1961年東京生まれ。東京芸術大学音楽学部中退、北海道大学農学部卒業。「マリーゴールド」で第3回九州さが大衆文学賞、「隣人」で第18回小説推理新人賞を、「枯れ蔵」で第1回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
18
登場人物全員がトラウマを抱えている感じかしました。重大な事件を起こし、少年法の影響で数年で世の中に出てくることになった元少年。彼とその周辺の人々を巻き込んでストーリーが進んでいきました。『希望』というタイトルの割には救いのない現実の多い作品でした。2012/08/16
星落秋風五丈原
6
別冊文芸春秋連載時に読了。1998年夏。老人3人を丸坊主にし、「たいへんよくできました」とスタンプを押して次々と殺害したのは14才の少年・友樹だった。「少年犯罪を含めた家族の問題は以前から取り上げたいテーマ。少年の周囲の人間それぞれが家族や生い立ちに何かしら問題を抱えていたり、人には言えない部分を抱えていたりする。背後にある家族の問題、夫婦の問題、人と人とのつながりの問題には後先はないと思った」(著者談2003/12/08
zanta
3
ビックリの連続だった。何ページか読む間に密かに想像する着地点が、次々に裏切られる。勝手に思っただけだから、裏切りとはいえないんだが。ドライブに誘われて、山に向かっているかと思ったら曲がってしまい、海に向かっているのかと思えば空港だったり、と。でも結局ドライブじゃなくて、映画だったというような。作者はご存命でないそうで、生き様と亡くなり方を知りたくなった。面白いのは確かだが、消化不良ぎみ。2013/01/02
しろいるか
3
500ページ超の2段組。読むのに時間がかかった。 少年犯罪の犯人と、その家族、被害者とその家族、カウンセラー、刑事、マスコミ。世間を震撼とさせた事件のあと、様々な立場の人が関わっていく。一つの事件に端を発し、過去の事件やその影響がからんできて中盤まではなかなか面白かった。 カウンセラーの環がやたらと女を武器にしているのか、尻が軽いのがちょっと鼻についたし、鮮烈な展開の割に、ラストはうやむやという気がした。 最後になってタイトルにこじつけているように、行間に“希望”が踊っていたのも気になった。2009/09/02
moe
2
少年犯罪の話だが、加害者家族、被害者家族、カウンセラーー、警察、ジャーナリストと視点が散らばりすぎて、タイトルの意味も分からず、いまいちそれで!?って終わりだったような。2023/09/08
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