内容説明
カリブ海のコーヒー農園の白人農園主と黒人女奴隷の間に生まれた混血児が、父の祖国フランスへ渡り、軍人となる。やがて膚の色と勇猛な巨躯から、敵に「黒い悪魔」と恐れられた。皇帝ナポレオンも一目おいた文豪デュマの父親の破天荒な人生。
著者等紹介
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。98年9月東北大学大学院文学研究科(西洋史)を単位取得退学、現在は執筆に専念。93年「ジャガーになった男」(現在、集英社文庫所収)で第6回小説すばる新人賞、99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を受賞
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感想・レビュー
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田沼とのも
23
粗野で短気で人並外れた膂力と肉体が自慢の元奴隷、デュマ。なのに何故か憎めない。この憎めなさ、惹きつけられる魅力を描けるのが小説家の技量だろうか。「奴隷に逆戻りするならば、もう私には生きている意味もない」公安委員会の派遣委員に啖呵を切って踵を返す場面が痛快。強者に媚びて自由な発言ができない空気に、恐怖政治の矛盾を鋭く指摘して、奴隷の屈辱を思い起こすデュマには気高い知性を感じる。抱えきれない自尊心に苛まれて、戦場の熱狂で日々の苦悩から解放されるデュマの「死んでやる」という呟きが痛々しくも美しい。2026/01/08
中島直人
14
(図書館)文豪デュマの父が黒人のフランス共和国軍の将軍とは知らなかった。生きていくことって、そんなに辛いものなんだというのが一番の感想。黒人奴隷でありながら、白人貴族の血をうけたこと、平等の精神を標榜するフランス革命の時代であったことが、かえってデュマの苦しみを深めている。読んでてしんどい。2017/03/27
80000木
9
強い。ちょっと性格があれやけど、豪快さが気持ちいい。息子の話も読まないと。あ、三銃士読んでねえや。まずそっち読まないと。最後の方読みながら、今の息子が自分をどう見るのか考えてしまって、なんかちょっとへこんだ 笑 。さすがにここまでのヒーローにはなれまい 笑 。2017/05/28
α0350α
9
フランス革命の頃にあのデュマの父親がこんな活躍をしていたとは知りませんでした。小説フランス革命も楽しみにしているので、そこで知った人物も何人か登場して楽しめました。戦場でのデュマ将軍の大暴れはワクワクしながら読みましたが、もう少し先を考えて行動できていればもっと大物になったんでしょうね。残念ですがそれがデュマっぽいと思えてしまいますね。次は息子の話を読みます。2012/08/07
鐵太郎
9
フランス革命後に頭角を現した黒人との混血児、デュマ将軍の一生です。ナポレオンに心酔し、その後袂を分かって惨めな晩年を過ごしましたが、その豪快な生涯は息子大デュマの心に残りました。 ・・・チョコレートとか双眼鏡とか木造船の丸窓とか、突っ込みたいミスはあったけどまぁいいか。(笑)2007/08/06




