感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
47
ある本を読んでいて知った歌人です。 間に多くの本を読んでしまった為、何の本を読んで、どうしてこの歌人の作品を図書館予約したのか思いだせません。 大正生まれで95歳の私の母より年上。 巻末の年譜を読んでから、本を読みました。 すると、方代さんの一人暮らしの様々な情景が目に浮かんできて、とても素直な表現の歌だと感心しながら、するっと心に入ってきます。 2015/11/20
にゃんこ
26
【図書館】 多分、図書館になければ、知らなかったと思う。 正直、初めて知った名前だし、パラパラと読んでみて、「ん〜…」ってなったのも、正直な感想。 でも、借りる事にしたのは、なんとなくユーモラスな作風だなぁ〜と思ったから。 女性歌人の恋の歌やほむほむの不思議ワールドもいいけど、こういう、日常的な歌を鑑賞するのもいいかなと。 でも、じっくり読んでみて、切なくなる歌が多いように思った。 最後の、谷川俊太郎や俵万智といった著名人の「私の一首」も興味深く読んだ。 人それぞれ、思いもいろいろなんだね。2014/11/13
夏野菜
8
山崎方代のベスト盤的な歌集。不識書院からでている全歌集を除けば容易に入手できる唯一の歌集か。方代は特異な生き方をした。拠り所を作らず、周囲からの好意を食いながら生きた。ある種、山頭火や放哉に近い詩人だろう。ただ、山頭火や放哉のような削ぎ落とされた極限の美はあまり感じられない。むしろ、方代の歌は戯画的であり、ユーモラスである。自己肯定に向かいやすい短歌の特徴故か、はたまた方代の人柄故か。どちらにせよ、無頼の人生を客観視して戯画化するなんざ、なかなかできることではない。2014/05/02
はこふぐ
7
無季自由律俳句。巻末で現代の著名な歌人たちが登場し、山崎方代の歌集の中から1句選んでいる。私が心に残ったのは「かたわらの土瓶もすでに眠りおる淋しいことにけじめはないよ」「外灯の下を通って全身を照らし出されてしもうたようじゃ」 そして「一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております」2011/12/25
pirokichi
6
再読。山崎方代の短歌413首。稲垣栄洋『生き物の死にざま』の読後、なぜか方代短歌をよみたくなった。〈いつまでも転んでいるといつまでもそのまま転んで暮らしたくなる〉〈卓袱台の上の土瓶に心中をうちあけてより楽になりけり〉あとがきのかわりに東海林さだお、俵万智、谷川俊太郎、中野翠、小島信夫が「方代・私の一首」という短文を寄せている。〈このようになまけていても人生にもっとも近く詩を書いている〉谷川俊太郎の「この一首の七五の定型におさまっているけれど、その調べに詠嘆のないところに私は惹かれた」にはっとした。2020/10/13
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