内容説明
江戸の艶、女心の艶を細やかな筆致で描き出す作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うみろー
7
ちょっと歳を重ねた女たちの男への慕情を書いた短編作。気だるさが漂う。最後の「薄明り」に思いが残る。2013/09/11
星落秋風五丈原
5
「貧乏くじを引く」というのが、どういう事なのか知りたければ、 この中の、どれか一篇読むだけでいい。いずれも貧乏くじにあたった 男女が登場する。端から見る者が嘲笑するよな選択ではあるが、 選んだくじと、自分の矜持を、真直ぐ見据え、人生を歩んでゆく。貧乏くじまで御丁寧に引き継いでしまった者もいる。貧乏くじが出回り過ぎの現代において、そんな潔さと決意を持った彼等の末裔が、どこかにいて欲しいような。そんな気がして、きょろきょろ見回してみたくなる、現在である。 毬や金魚など、比喩の使い方も巧み。2005/05/19
山内正
4
茶屋の猫板に肘を付くおこう 横を向きこの日を待って こんなに短さなのかとおさよは 勘弁してくんなと八十吉が立上がる 五兵衛が現れ頬を殴られ 誰かの声がした 二月して料理屋でおさよが働いてる 愛嬌の良さで繁盛した きむらを流行らせたのはお前だった のかぇ おこうが感心した 八十さんどうしてさ 五兵衛旦那に分かってたのさ 店は返します客は来ますさ 向こうから八十が来た 女将もう辞めておさよと上方へ行きます 五兵衛が怒鳴り込んで来た 皆んな喋ったのか何もかも そんなに怒らなくたってと 猫板を拭くおこう 2020/11/09
おばりん
4
一途って言葉が似合う時代ですね~江戸は。2013/03/21
ぺしみち
0
面白い2013/12/13