内容説明
何者かになるために、少年は島を捨て東京を目指した。『瀬戸内少年野球団』から二十年。著者渾身の自伝的小説。
著者等紹介
阿久悠[アクユウ]
昭和12(1937)年、兵庫県淡路島に生まれる。明治大学文学部を卒業後、広告代理店の宣弘社に勤める。39年に退社し放送作家として独立。43年から作詞を始め、数々のヒット曲を世に送ってきた。54年に小説『瀬戸内少年野球団』を発表。大ベストセラーとなり映画化もされた。平成12年には『詩小説』で第7回島清恋愛文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いろは
19
「貧シク赤ク胸悪ク」は、小説家の絶対条件らしい。偉大なる作詞家だった阿久悠さんが、本を描くとどのような作品になったのかと思って読んでみた。実に男臭い青春物語で、男女の物語だから結構な卑猥さもあった。主人公の青雲草介を取り巻く登場人物がとてもユニークで面白かった。友人の赤井健が自称「天才」で、病的と思えるほどの放言癖と虚言癖があり、ナルシスト(サイコパス?)。青雲草介は、赤井健と接吻して勃起までするが、女性とは勃起しても肉体関係を持たない。そういう人間も物語も単純ではないところが、この作品の面白さだと思う。2018/03/05
takao
3
ふむ2024/03/20
織田陽平
1
かの名作詞家の自伝的小説。 なんかもう、むず痒く切な甘酸っぱいあの頃な雰囲気がたっぷり。 章ごとに時代が少し進んでいってるの島耕作的な展開で、シンプルに楽しめた。 古き良き昭和の青春。2021/02/26