出版社内容情報
一瞬の、たった一度の失言が、全ての発端となった──。二十年後二人の男が、その出来事の決着をつける。実力派作家の待望の長篇
内容説明
二人の男の道を決定づけたのは、生放送中のスタジオで発せられた、不用意な、しかし致命的な一言だった―。二十年後、その決着をつける時が訪れ、一人は自死を、一人は闘うことを選んだ。著者の新たな到達点を示す傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
102
多分お初の作家さん。どことなく誰かの何かの作品と、ダブる感じもしないではないのだが・・とにかく読み切った。こんな堀江のような男は『ほおっておけない』タイプの女性が居そうだ(笑)私は、出来る部下の大原が好きだが。しかし、結局何が言いたかったのだろう。作品的に中途半端な感じがしてならないのだが。読み方が足りないな自分・・きっと私には合わないのかもなぁ・・2016/01/23
紫 綺
59
文庫にて読了。壮大にして高潔、純粋な愛をハードボイルドタッチで描く、ヤクザ絡みの長編ミステリー。2021/08/09
スノーシェルター
31
かっこ良かった。主人公は風邪をひいているせいで、しょぼくれているはずなのに、強くてかっこいい。裏社会は怖いけれど、この中に出てくる男達は魅力的に見えてしまう。暴力的だけれど、賢い人が多くて、楽しく読めた。2015/02/02
James Hayashi
22
出だしが超一級のオモシロさ。ビジネスマンとしてプロフェッショナリズムを感じるような描写でとても響いた。もちろん中盤も後半もいい。しかしながら話が少し難しかった。裏稼業も姿をあわらし、主役の過去も滲み出てくると、自分の手からは遠のいていった感じ。出来栄えが悪いのでなく、単に個人的に食欲を失ってしまっただけ。これは再読リストに入れるべき作品であり、長年積ん読の「名残り火」も読まなくては。 2015/08/21
えみ
21
おじさん頑張るなぁ。とただただ思った。恩義ある人の自殺理由を知りたい。会社も家族さえ納得しているのに、心のうちは分からないけれど個人的興味というだけで命を危険に晒してヤクザと交渉、自殺の背景本当のことを探りだす。希望退職に応じ、あと少しで会社を去るサラリーマン・堀江の最後の務めがいつの間にか思いもよらぬ方向へ走り出す。そして堀江の周りを固める女性陣がめちゃくちゃ魅力的。強い、綺麗、頭が切れる、バイクの運転最強。暴力団と互角に渡り合える堀江の過去の傷や宮仕えの悲しさがきちんと読者に伝わるように描かれていた。2019/06/08