出版社内容情報
鬼悠市は松ヶ岡藩の徒足軽。風のように暮らしているが、難事件の尻が次から次にもちこまれ……。陰謀あり宿命あり恋あり。泣かせます
内容説明
竹林に棲み、鳥籠づくりの達人として名の轟く鬼悠市。だが、鬼家代々の使命は“暗殺者”であった。宿命に抗いながら、全ての想いを剣に込め、策謀に立ち向う―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
2
作中、主人公が「武士を気取った職人風情」と罵られるくだりがある。 この言葉は、主人公・鬼悠市の宙ぶらりんな立場を、実にうまく 言い表している。 悠市は、江戸にまで達人として名が聞こえている、鳥篭職人。 だが、職人といっても、作っているものが鳥篭だ。 米の値段が上がり、おっつかっつの暮らしをしている庶民が、 鳥など飼えるはずがない。となれば、所詮は、富裕な人々が 使う贅沢品。庶民は、悠市に羨望の眼差しを向けても、 傘職人や、下駄職人のように気安く話しかけない。2003/05/08
あかんべ
2
武骨な人だなぁ。汚れ仕事を受け持っているからなのか。名の通りの鬼に為ろうとしているのか?でも時折見せる養子の柿太郎を自慢したい気持ちや、竹細工を主以外のために作らないと頑なに持ち続ける所は、思わず応援したくなる。シリーズを一気に読むつもり。2012/01/22