出版社内容情報
隠居の日を楽しみに奮励する上野介の悩みは、最近人の名前を思い出せないことだ。好漢清水一学の恋もからめた討たれる側のドラマ
内容説明
清水一学の中で、大石内蔵助、という名前が、次第に大きくなっていく。どんな顔の男なのかも知らないのに、おかしな話だ。ましてやほかの赤穂浪士たちなど、顔も名も、何も知らない。討入ってくるかもしれない凶徒の集団―いわば、顔のない暴力である。おそらく、むこうもまた吉良上野介の顔を知らない。互いに相手を知らず、ただ世間の噂に動かされているのだ。吉良家小姓、好漢・清水一学が恋を捨て赤穂浪士に立ち向かう。討たれる側から見た元禄忠臣蔵。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
63
清水義範作品続けて2冊目。こちらは図書館リユースコーナーで入手。忠臣蔵を吉良上野介サイドから見つめる。なんと、理不尽で不幸な事件であることか。事件には常に表と裏があり、それぞれの主張がある。どちらも見てみないと分からない。それにしても、個人を殺してしまう世論という名の大衆感情の怖さよ。そして、清水一学の実らぬ愛の悲しさよ。2020/05/14
towerofthesun
0
吉良側から見た「忠臣蔵」の物語。上野介に同情的に書かれているのは筆者が愛知出身だというのもあるが、三河吉良では上野介は名君で元禄の事件は不幸なテロだというのが今も主流の見方。ともあれ300年の時を経て、平成に入ってから時の赤穂市長と吉田町長(現在は西尾市に合併)が「和解」をしたそうだ。2014/07/29
ひまり
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...ありえるかも、と思ってしまった。
cheui
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ところどころ出てくる説明的な会話が気になった。ちょっと急ぎすぎかなという印象。2010/02/21
あこぶ~
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読んでない(^^; もしかしたら面白いのかも・・・と思いつつ予約本が届いてしまい、貸出枠が満タンなので開くこともなく返却します。またいつかご縁があれば借りましょう。2019/03/28