出版社内容情報
ここ一番の切所で必ず顔を出す弱気の虫のせいで、秀吉に牛耳られていく織田家の宿老丹羽長秀の悲劇。表題作など戦国武将物十二篇
内容説明
斎藤道三から石田三成まで、戦国乱世に一瞬の光芒を放った十二人の男たちの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロたん
3
作者が書いてる通り、信長の配下の武将は、信長死後はパッとしない。秀吉がスゴいのか。2017/10/29
ビシャカナ
2
12人の戦国武将の生き様を解説めいて描いた短編小説集。台詞がほとんどない、ほぼ地の文なのだが、非常に臨場感があって面白い。これは著者なりの考察や思い入れによって、文体に情念を与えているからだろう。描かれるのも有名どころではない存在が多く、どの武将も名将ではあるが時代に取り残されたり、人間的に不完全であったりして、そこが同情を誘う。特に滝川一益の転げ落ちるような凋落は長編で読んでみたいと感じた。2014/05/22