出版社内容情報
三島の自決以来二十八年。胸中に秘し隠して来た三島とのひそかな交際のすべてを、今明かす。三島文学とその人間像に迫る衝撃の書
内容説明
四半世紀を経て綴られる作家の実像。身に潜む「同性愛」の芽を感じてきた著者が、不世出の作家との「秘かな交際」を明かす衝撃の文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
284
三島由紀夫の遺族が出版差し止め訴訟を起こし、文藝春秋が回収、9万部しか出回らなかったため、図書館本を読んだ。三島から著者が受け取った13通の封書、3通のハガキを全文掲載したので、三島家が提訴に踏み切ったという。文豪の手紙には著作権がある、との裁判所の判断だった。手紙の中身は、それほど重要だとは思われなかった。本は、のぞき見的な描写が多く。感動は薄かった。2023/06/03
とくけんちょ
51
とても筆者には共感できない。三島という特別な存在に特別視されてることを黙ってはいられない。異常とも思える承認欲求。その関係を小説という題材で発表するだけでは飽き足らず、本作を発表する。その内容は自己の犯罪行為まで。これは問題作、しかし少なからず読み終わり、動揺させられている自分に気づく。 2021/01/11
ケイ
34
15年前に発売された時に読んで以来の再読。なぜ、また読んだのだろう。福島氏による、三島の無邪気でお坊ちゃんな性格、両親との関係、愛妻家としての顔などは、おそらく正にその通りなのだろうと思う。しかし、三島との性行為の描写などは、あのように細かく記す必要はないだろう。犯罪のような性行為しか行えないこと、退職後はお金に困り、三島からの書簡を古本屋に売ったことなど、読んでいて気分が悪くなった。2013/11/29
澤水月
24
事実上発禁な三島の昭和20年代元愛人(禁色に影響)ずっと後セフレによる実名評伝小説、暴露部分より男女だと当たり前なのになぜかゲイにはないと思い込んでいた不感症による溝という闇に仰天!女性の不感症題材の三島作・音楽には影響ないんだろうか?まさに性の不一致で尊敬する作家と存分に性交出来ない事情が今なら犯罪で凄い。カムアウトしている芸術家、田亀源五郎のブレイクでインタ本に「日本ゲイ史を探ると必ず三島が」「超有名人がアウトしてくれてたらどれだけいいか」繰り返しあり考えさせられたがこの妻では出来んよな…(コメに続2017/12/31
るか
16
★★☆☆☆ 著者の主観が強いため内容全てを鵜呑みにはしづらい。三島由紀夫との交流の日々と、著者自身の小説家としてのこれまでがつらつらと綴られている。今年新装丁で出版された「現車」では著者の家庭環境がそのままモデルになっているらしく、その他にも「蝶のかたみ」の兄弟の家庭環境や「バスタオル」の設定とも似通った記述もあり、小説の中で多く自分の生い立ちを採用しているようだ。そのせいか、この暴露本(告白本?)を読んでいても私小説と物語が混在しているような感覚が強い。2017/09/21
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