出版社内容情報
従順なルネ夫人のその愛の謎と恐るべき深層心理をひもとき、侯爵サドの生涯をつぶさに描いた著者が、現代社会に警告する問題作
内容説明
侯爵サドの放蕩を見つめ続ける妻。その愛の謎と恐るべき深層心理をひもとき、現代社会に警告する問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
16
候爵サドの放蕩を見つめ続ける妻。異端の乱行を繰り返すサド侯爵。しかし妻ルネ夫人は、夫に愛情と真心を捧げ続けていた。不可解な夫婦関係の謎を探る助任司祭ピネル。それを監視、妨害するルネの母親モントルイユ。いったい彼らの間になにが起こっていたのか。やがてピネルがたどり着いた真相とは…。2001/12/27
takaya
15
18世紀のフランスで性的放埓でスキャンダルを起こし、「サド」の語源となったサド侯爵の妻の物語。夫は登場せず、自立できない妻自身の精神的問題が、当時のフランス貴族社会を背景に描かれています。藤本ひとみ氏の歴史小説は、今回も面白くて、一気読みでした。2021/03/06
Hiromix
4
中学生くらいんときめちゃはまった藤本先生の本を久々に手に取ってみた。サド侯爵と言えばSMの元になった人くらいのイメージしかなかったケド・・・。可哀想な生い立ちの愛を求めた人だったのかな。しかも本人ではなくその嫁の話。2014/05/31
猫耳ありす
3
サド侯爵の話ではなく、あくまでも夫人の話。母親の教えを守り、忠順でいさせられたことにより起きた悲劇。とともにサド侯爵の過去を辿りながら原因を解明してゆく。さらっと読めて面白かった。2015/11/20
紅雨
3
娘と妻は同時に演じることはできない。そんな意味の文章が強烈に印象に残った。2012/03/01