出版社内容情報
「ふたたび出雲に尼子の旗を!」。戦国末期、絶大なる力を誇った毛利氏に闘いを挑み、伝説的な英雄となった山中鹿之介の悲運の生涯
内容説明
時は戦国末期。かつての中国地方の覇者・尼子氏は、一年半の籠城戦の末、毛利元就によって滅ぼされた。生き残った尼子家衆。彼らはひとりの若武者を中心に、誓いを交わした。失われた自分たちの我国―出雲国を毛利氏の手から取り戻すことを。彼らを率いる若武者の名は、山中鹿之介―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
7
永禄12年6月23日尼子経久の曾孫勝久をいただき、出雲切り返しを図る山中鹿之介。奈佐日本之助配下の海賊衆、大力之介が心酔し、仕える。大友との戦いに追われている毛利の隙をついてまたたく間に2城を落す。尼子家が本拠としてきた富田城を陥しそこを根城に毛利を倒すのが願いだった。立原清兵衛久綱(鹿之介の伯父)出雲国守護代だった尼子経久の時代、絶頂期を迎えるが、84才で経久が死に孫の晴久の時代に安芸の一国人、毛利元就が台頭し始める。2003/10/28
Ryuji
1
★★★★☆主家再興に生涯を賭けた(と言ってもいい)山中鹿之介。主君を変えることが特段悪いことでは無かったこの戦国時代に、あくまでも尼子家再興と出雲の地にこだわった鹿之介は非常に稀な人物だと思う(だからこそ後世の評価に繋がっているのだろうが)。毛利家や織田家の武将になっていれば(なれるチャンスもあった)それなりの人物になっていただろうにあくまでも尼子家にこだわった鹿之介、何故なのかは分からないが潔さは感じる。亀井茲矩や鴻池新六のことも結構書かれておりこの時代が好きな私にはなかなか良い本だった。2013/06/19