出版社内容情報
人気役者・中村勘三郎が急死した。彼を慕い、尊敬していた瀧井山三郎は、事件の裏の謀略に気づくが……。著者渾身の書き下し時代小説
内容説明
役者になることだけを夢見て生きてきた瀧井山三郎は、ついに江戸で知らぬ者のない人気役者に昇りつめ、順風満帆の生活を送っていた。だが、芝居町を支える中村座の座元・勘三郎と、町奉行の奥方との間に不義の噂がたち始めた頃から、運命の歯車は少しずつ狂い始めていた…。かぶきの世界の華と、政治の世界の陰を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
19
江戸初期の役者・瀧井山三郎の一生を描いた作品。名門故のしがらみに生きる中村勘三郎との交流も町奉行・嶋田出雲守との交流も山三郎にとっては純粋に「好き」なだけなのに、最後は思いがけない方に転んでしまう。最後まで相手を信じて逝ったのが山三郎にとってはせめてもの幸せなのかも。『七代目』の後に読んだので市村座の詰番・作二の視点が興味深かった。2018/11/09
星落秋風五丈原
17
役者になることだけを夢見て生きてきた瀧井山三郎は、ついに江戸で知らぬ者のない人気役者に昇りつめ、順風満帆の生活を送っていた。だが、芝居町を支える中村座の座元・二代目勘三郎と、町奉行嶋田の奥方との間に不義の噂がたち始めた頃から、運命の歯車は少しずつ狂い始めていた…。かぶきの世界の華と、政治の世界の陰を描く。 2003/12/09