出版社内容情報
大和一の弱虫はやがて霊力を帯びて、大王に、そして悲劇の国ゆずりを経て水底に……。縄文と弥生、二つの文明の交代劇を戯曲に昇華
内容説明
『古事記』最大のミステリー・国ゆずり神話を、縄文から弥生への文明交替劇としてとらえ、滅びゆく縄文の大王の御霊を鎮魂する、梅原猛、構想十年の戯曲。
感想・レビュー
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ひろ
1
3代目市川猿之助(香川照之の父)のスーパー歌舞伎の脚本として書かれたもの。一見、これはつまらないかなと思いきや、登場人物ならぬ登場神様が極めて人間臭く描かれていて面白い! 多分に創作されているが、かつての神様たちの時代、神様とて人間で弱みもあったでしょう。でも、大和で一番アホでドジだが優しく徳のあるオオナムチがオオクニヌシとして日本国を創った神とまで言われるまでに至ったストーリーが、実際の場面が思い浮かぶまでに描かれているのは、驚くし素晴らしいと思う。3代目市川猿之助演じるスーパー歌舞伎を見てみたかった。2024/05/17