出版社内容情報
氷男と結婚した女は、なぜ南極などへ行こうとしたのだろうか?不思議で楽しく、そして底無しの怖さを感じさせる短篇八篇を収録
内容説明
さめない夢なのかさめてからが夢なのか。氷男は南極に戻り、建築家は眠りの衣をまとう。台風の目が心を裂き、チョコレートは音もなく溶けていく。村上春樹の短編小説の世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャーリブ
47
表題作の「レキシントンの幽霊」以外の短編は、英訳短編集の「逆輸入版」2冊の中に入っています。本書に収録されている「トニー滝谷」がロング・ヴァージョンだと書いてあったので「逆輸入版」がショート・ヴァージョンなのかと思って手に取ったのですが違ってました。むしろ「レキシントン版」のほうが「逆輸入版」よりも幾分短く、いくつかの文章がカットされていました。個人的には、収容所で滝谷省三郎とともに死の判決を待っていた高級将校が発狂したエピソードはカットしてほしくなかったので、「逆輸入版」のほうを推します。○2023/03/26
貴
32
『トニー滝谷』亡くなった妻の愛した服を、前にしたときの生きる時間が止まるような孤独は、すごく理解できる。遺品としたら一番つらいと思います。これは今の自分の年齢になって初めて気づいたことでした。https://www.youtube.com/watch?v=Yj3_7teTMHE 映画の予告を見て涙。https://www.youtube.com/watch?v=KY2xGd8ULhM 坂本龍一さんのピアノを聴いてまた涙。2024/03/29
Our Homeisland
32
まずまず面白かったです。ホラーともファンタジーとも違うような短編集で、正直、どう楽しんだら良いのかが分かりにくいなとは感じましたが、読みにくいということはありませんでした。村上春樹作品は今年になってから読み始めました。この転変集でも、随所に、「さすがにうまい表現で、文章がうまいな。」と感じさせるところが散りばめられていました。安定感があって、安心して読み進められるというのも、この作家の特徴だと思いました。2015/11/17
ゴールドまであと918日
28
村上春樹の小説3冊目、解説本1冊読んだ。短編で、アメリカを舞台にしたものもある。スリラーものではあるが、それほどぞくぞく寒気がするまではいかない。そういう考え方や気分もあるなって感じ。小説としての文章は、この著者は、非常に優れている。さすが、村上春樹、ノーベル文学賞候補になるだけあると感心はした。一つひとつの小説は、テレビドラマにしたら、面白いと思う。脚本家や俳優しだいではる。2022/03/02
林 一歩
27
表題作が村上春樹らしい作品ではあるけれど、やはり"沈黙"が白眉。2014/11/04
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