出版社内容情報
こよなく愛する古今のジャズの世界を題材にした、時に恐怖、時にたのしい十二の物語。筆者の"原点"ともいえるSFファンタジー
内容説明
ルイ・アームストロング、キッド・オリー、アート・ブレイキー、ソニー・ロリンズ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン…こんな名手の名演奏が随所に登場する華やかなアドリブの連続。恐怖小説ありファンタジーあり、あるいはショート・ショートあり、作者得意の手法を縦横に駆使する“夢のジャム・セッション”。ジャズをめぐる12のファンタジー待望の最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
27
図書館で借りたら保存書庫から出てきたが、文庫版もある模様。古い話だが、ジャズ好きにとっては関係なく面白い短編集。各短編にまつわるレコードが巻末に紹介されているが、これが秀逸で、おかげで買いたいレコードが一気に増えた。2023/01/29
そうたそ
27
★★☆☆☆ ジャズをモチーフに描かれたショートショートの数々。まさにジャズ好きが高じて出来たような作品だろうが、ここまでしっかりしたショートショートを書いてくるあたりさすが筒井康隆である。趣味もきっちり作品に結びつけている。ジャズを知らなくても、作品そのものがそれなりに面白い。ジャズが好きな人ならば、二重の楽しみが得られるだろう。巻末のジャズ解説も好きな人ならば必読だろう。2017/10/29
Our Homeisland
20
短編集。ジャズというテーマが通っていましたが、タイプとしてはいろいろなものが入っていました。流石の大御所(SF)作家だけあってたいしたものだと思いました。ジャズが好きではなくて、ほんの少ししか知らない、ほとんど知らないという人でも全然読めて楽しいと思います。意外性のある展開のものも含まれていました。サラ・ヴォーンはジャズボーカルの枠組みを超えた偉大なポピュラーソングボーカルであると思います。2025/03/08
鈴木拓
20
ジャズをテーマ、あるいはきっかけとして描かれた短編小説集だが、なるほどそう来るか!という面白さに満ち溢れていた。ジャズ発祥の地と言われるニューオリンズの話に始まり、不思議な話もあり、ドタバタ劇もあり、いずれも自由奔放なようでしっかりと筋が通った、まさにジャズ小説である。巻末付録には関連するディスク情報もあり、音楽を聴きながら再読する楽しみもある。読み終えて言えることは、この本に収録された筒井康隆の小説の在り方こそがジャズなんだということだった。2024/07/09
海恵 ふきる
16
個人的には、筒井先生はスラップスティックなブラックコメディーを書かれる印象だが、この本に関していえばそうとは限らない。非常に綺麗に物語が完結している作品も多くみられるので、多少面食らったところがないでもない。しかし面白さはいつもの質を保ったままなので、この作家の幅の広さには嘆息するばかりだ。それぞれの小説の中で取り上げられているジャズメンやそのアルバムについて、筒井先生直々に解説を書いているコーナーが巻末に設けられているのは親切だ。頭から聴いていこうと思う。まったくサブスクというものは便利だ。2020/03/25
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