阿弥陀堂だより

阿弥陀堂だより

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163156002
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

小説家志望の男と、医者として自信を失った妻は、山間の村でふしぎな老婆に出会う。温かなユーモアに彩られた、二年ぶりの長篇

内容説明

作家として自信を失くした夫と、医師としての方向を見失った妻は、山間の美しい村でふしぎな老婆に出会う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

46
書けない小説家の夫と、先端医療に携わりながらも心を病む妻。出会いの高校時代は、同じ体験などしていないのに、ただただ懐かしい。心をいやすため故郷の集落に移り住む。そこで出会う阿弥陀堂を守る老婆と、そのコラムを書く若い女性。後半からの再生への流れは言わずもがなではあったが、老婆の言葉ひとつひとつが心に沁み入る。実に良い本だった。こんな本を求めていたのだと思った。2017/06/03

セロリ

43
小説家の夫と医師の妻。妻は心を病んでしまい、二人は夫の故郷に戻った。故郷の阿弥陀堂には、堂守のおうめ婆さんがいる。広報誌に掲載される阿弥陀堂だよりは、とてもいい。おうめ婆さんの人柄が感じられる。見栄を張る必要もなく、正直で、流れに身を任せるような生き方は、素敵だと思う反面自分には到底無理と思う。それに、みんながおうめ婆さんみたいだったら技術革新はなかっただろう。欲深い人が多い世の中だからこそ、世界は発展するし、おうめ婆さんには希少価値がある。初読みの作家さんだったけど、他の作品も読んでみたいな。2022/06/14

kibita

11
300人以上の患者を見送り、更に流産を経験してパニック障害を発症した内科医の妻と共に、語り手の作家の夫は東京から山深い信州の故郷に移り住む。あるがまま、そこに 「在る」 堂守の老婆との交流とその言葉、丁寧で静かな文章一文一文が心に沁みいった。薪風呂を炊く妻美智子と共にその穏やかな炎を眺めているような、穏やかで暖かい残り火が読後いつまでも続きました。パニック障害から鬱病を発症したという医師である作者だからこそ描ける妻の症状や心象風景。2021/12/09

はるま

11
読友ねずみさんのセレクト本 初読作家 芥川賞受賞作家 医学部卒の医師で、難民医療日本チームにも参画されていた経緯をもつ 最近の動静は不明なのだが?隠居されてるのかな?フィクションの中にもご自身の私小説のような感じで、自らの医師としての経験や病いを患われての体験が、リアリティあり表現されていた 生きること、そして死ぬことを心静かに考えさせられる素敵な物語 阿弥陀堂主のおうめ婆さんの世俗離れしたような人生観には心が洗われた 明るい未来を予感させられる結末もとても素敵で、読後感は爽やかな気持ちになれました2020/08/23

sugarpon

6
コロナで気持ちが乱れていたせいか、ここしばらく心動かされ、最後まで読み通せる本になかなか出会えなかったのですが、この本はそんな時にこそふさわしいものでした。都会での激務で心が壊れてしまった女性と、田舎で淡々と、もって生まれた人生に逆らわず暮らしている老婆、若くして難病に侵された女性との触れ合いが想像以上に心に沁みました。この作家さんは初読みでしたが、他の作品にも興味がわきます。2020/06/13

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