出版社内容情報
マインド・コントロール研修、ノルマを課された珍味売り、そして選挙妨害……。新興宗教の現場に立ち入った私立探偵が見たものは
内容説明
宗教という名の“悪魔”マインド・コントロールの恐怖を描く書下し長篇サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らびぞう
8
作者は、テレビドラマ「木枯らし紋次郎」にも出演した俳優、中村敦夫だ。キャスターの経験もあり、社会的な目線も鋭いと、改めて思った。そうして、現在、某教会の被害者救済新法が成立し、すごくタイムリーだった。特に、「洗脳=マインド・コントロール」されている経緯は、こんなふうに人の心に入り込んで行くのかと、怖くなった。家族を奪回し守り、その洗脳を解く難しさ。また、熱烈な信者のふりをしながら、それをビジネスと考える人、そうして、純粋な信者であるが故に、裏切られ、絶望する人。それらの悲喜交々が表されている。2022/12/13
さざゆき
4
1994年の発行。著者は有名な俳優だが、社会派の評論家や作家としても知られる。本作は昨今改めて注目を集める某宗教団体をモチーフとした小説だ。入信により行方知れずとなった若者の捜査依頼を受けた探偵が、家族と共に奪還に苦闘する様が描かれている。団体のインチキな教義や、詐欺集団としての巧妙な手口、マインドコントロールの手法等々、話が非常にリアル。かなりの取材の跡が伝わって来る労作である。22年間、団体が全く変わらず野放しにされていたことに改めて驚かされた。今月15日に講談社文庫より緊急文庫化。2022/11/24
Mao
3
これが、30年も前に書かれた小説だとは。 ここまでわかっていたのに、何も解決できずに今まで来てしまったわけだ。なんとも情け無い国である。2023/05/21
ブリーゲル
3
かなり前に読んだ、結構面白かったけど、入手困難なのかな。 統一教会から家族を取り戻すみたいな話。 でその後色々と中村敦夫に圧力がかかったみたいな事があった。
ITSUMI
2
素晴らしかった。昨年の事件を受けて30年振りに復刊したとのこと。俳優として、また政治家として応援していたが、小説を読むのは初めてかもしれない。統一協会については、確か高校生の頃の知り合いではない人が「私には統一結婚がある」と言った(らしい)ことが妙に印象に残っているが、自身で関わったことは無いので、何故あんなに打ち込めるのか、霊感商法に騙されるのか、全く理解できなかったが、この本はその仕組みや洗脳されていく過程などを解り易く描いている。2023/03/05
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