出版社内容情報
作家デビューから25年、日本のアガサ・クリスティといわれ、ミステリー界の第一人者として活躍してきた著者の短篇から選んだ12篇
内容説明
日本ミステリー界の旗手として、世界に名を馳せた著者がつねに完成度の高い作品を描きつづけて25年。その結晶の軌跡から選んだベスト短篇12篇。作家生活25周年記念出版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
horuso
2
12短編からなる選集。夏樹静子が本当に上質だったか確認するために久しぶりに再読した。一番古い短編の公表が1971年でちょうど50年前。これぐらい古いと、もはや風俗小説の趣がある。全体的に、モノだけでなく人心のあり方も今とは違うところが多々感じられ、別の意味で興味深かった。「凍え」がいちばん印象深いのは昔も今も変わらない。実は小説よりも、桃井かおりとクロード・チアリが演じたドラマが忘れ難いのだが。読了後、質に関してガッカリすることはなくてよかったが、今のぼくはこの種の小説を求めていないこともよくわかった。2021/08/01