出版社内容情報
数百万年埋もれていた巨大な宇宙船から、いま錆の粒子にのってメッセージが振り撒かれ、町びとをそして全人類を変えようとする…
内容説明
本書の主人公ジム・ガードナーが発見するのは、かつてのSF映画の定番、空飛ぶ円盤である。ジム・ガードナーは詩を書きながら大学で英文学を教えていたが、アルコール中毒に苦しみ、一方では反原発デモに加わって検挙されたりしているうちに、友人を失い職を追われ、いまでは詩の朗読で食いつなぐ、鬱屈した中年の社会的落伍者になりはてた。ほとほと自分に愛想が尽きて命を断とうとするのだが、そのとき、友人のボビが大変なことになっているという虫の知らせを感じる。昔の恋人でもあるボビを救いたい一心で自殺を思いとどまり、彼女の農場を訪ねてみたガードナーは、驚くべき変化をまのあたりにする。メイン州の田舎町ヘイヴンとその住民全体が、驚異的でもあり不気味でもある変化をきたしはじめていたのだ。しかも、その変化は、ボビの家の裏手にひろがる森のなか、地中深く埋もれた不可思議な円盤状物体の仕業と考えられた。この物体は生活の利便をもたらし、ひいては戦争抑止の効果をも発揮する夢のエネルギー源なのか、それとも…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白のヒメ
39
森を歩いていて、つまづいた銀色の物。掘り返してみたら・・・・。キングの描く「UFO」物。作中にて作家自身が、UFOものなど、小説のネタとしては、1900年代前半に終わっているような、古臭く食えない下らないものだと断言している。あえてキングがそれに挑んだのだろう作品の前篇。古くさい感じは全く無く・・・。本当に怖いですから。有り得そうで・・。歯が抜ける夢を見そう(ーー;)これって、どうなるの?収拾つくの?(青ざめて)・・・後編に続く。2015/01/05
Ayah Book
16
ジャンルとしてはSFなんだろうか。ヘイヴンという町全体に訪れた『進化』・・・それは一体?という物語。導入はゆっくりで、ヒロイン・ボビの心情が丁寧に書かれ過ぎのような気がしたが、町の狂いっぷりが明らかになるにつれ、徐々にスピードが出て面白くなってくる。やっぱりキングさんは群像劇がうまいね。ベッカ・ポールソンとマジック少年の話が特に面白く感じた。下巻に期待。2022/11/21
志田健治
7
なかなか難解な構成だと感じました。もちろんおもしろいです。主人公(?)のボビもガードも魅力的です。しかし途中から誰に感情移入して良いのかわからなくなります。特に『ヘイブンの物語』に入ってからは目まぐるしい登場人物の変化に混乱してしまいました。でも、もちろんおもしろいです。読む側がキング氏についていけていない、もしくは文章表現がキング氏の世界を再現しきれていないのかな、なんて思いました。やっぱりSFですから、見たことのない映像はイメージしにくいですよね。キング氏には確実に見えている世界。くー、やきもき。2015/09/25
Chunko
3
なんかよくわからなかったが…歯が抜けるのも透き通るのも嫌~1995/07/18
moto
2
キングの長編では一番好き