出版社内容情報
テンプル騎士団の残した暗号の謎を追うミラノの編集者を見舞った殺人事件。解体された小説の迷路に読者を誘いこむ“知”の大冒険
内容説明
ミラノの出版社に持ちこまれた原稿は、またしてもテンプル騎士団にまつわるものだった。3人の編集者の思いは、中世へ、錬金全の時代へと、運命的に引き寄せられてゆく。―やがて、編集者のひとりが失踪する。最後の手がかりは、パリの国立工芸院付近からの公衆電話。あの“フーコーの振り子”のある博物館だ。「追われている。察されるかもしれない。そうだ、テンプル騎士団だ」そして、電話は切れた…。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
taku
19
やってくれるなフンバルト・エーヨさん。たった24Pの手強い一章を抜けても、サスペンス部分は一向に進まず、テンプル騎士団にまつわる陰謀や秘密結社などなど、いかがわしい中世ヨーロッパを詰め込んでいて読む人を選ぶ。でも私は好きだよ。物語はすべて理解しないと楽しめないわけじゃない。何よりこの小説は虚実混ぜて綿密に作り上げたジョークなんじゃないかって気がする。オカルト信者や神秘主義者への揶揄を含めた。「あなたがそう理解されたのなら、それはあなたがそう理解したかったからです」これですねウンデルトさん。2018/07/16
sakadonohito
9
7割ほど読んだところでギブアップ!気を抜くと時系列分からなくなるし回想なのか現在の視点なのかも分からなくなる。自分の視野の問題ですが、ハードカバー単行本の大きさだと読みづらく集中できない。そのため内容が全然頭の中に入ってこなかった。気が向いたら文庫版で再挑戦するかも。内容がつまらないとかそういうのではないです。2024/07/18
はる
5
国立工芸院。元サン・マルタン・デ・シャン修道院に下がったフーコーの振子は円錐な円弧を描く。地球の自転を描く。主人公カゾボンはそこでガラモン出版社のベルボとディオタッレーヴィを待つ。カゾボンは文化探偵社の主宰。三人がテンプル騎士団に興味をそれぞれに持っている。何を探しているのだろう?カゾボンは学生時代への回顧に陥る。ベルボ知りい死体無き殺人事件に巻き込まれる。逃れたブラジルでアフロ信仰に巻き込まれる。 上巻 まあなんとも!薔薇の名前で覚悟していたが、出るは出るは知らない言葉。下巻は何処に行き着くのだろう!?2020/02/09
gkmond
2
23年ぶりの再読だったが99%忘れていた。ブラジル出てきてマジかってなった。訳者が楽しそうに訳してるところがよい。2022/08/12
黒猫グリ子
2
10年ぶりの再読。初読当時は読みにくく、ページの進みも遅かった記憶があるが、今回はスムーズ。テンプル騎士団・薔薇十字友愛団等々より、とにかくベルボ。彼の知識の情報量とは裏腹の、素晴らしいとは言い難い文章や行動の悔恨を見ると、知識というもののの無力さを感じてしまう。そこまで物語が展開しない上巻から下巻へ2016/08/26