出版社内容情報
ホームズ自身が綴る最後の事件簿は、自分は実は女だという告白で始まる。ある日、かの宿敵モリアーティの娘が現われて、事件を呼ぶ
内容説明
私はシャーロック・ホームズとして世間に知られている。しかし真実の名はルーシーといい、今も昔も私は女なのだ。―ホームズ自身の手で綴られた「これが本当に最後の事件簿」。第10回サントリーミステリー大賞特別佳作賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
詩歌
13
懐かしい再読。自ら女性だと告白するシャーロック・ホームズの物語。モリアーティ教授の娘が登場し、苦戦を強いられる胸躍る展開。切なさとコルセットに肋骨は軋み、著者同様にホームズとワトソンへの愛情が渦を巻く! はぁ美味しかった、ご馳走様でした!2015/04/01
ぽま
4
ホームズが女性であったら、という点に主眼が置かれたパスティーシュ。一見奇抜な設定に思えるかもしれないが、ホームズ譚に対する性別逆転説はさほど目新しいものではない。この作品の底力は、そのプロットと、オリジナルキャラクターの魅力(なんとモリアーティ教授の娘!)にある。中盤に若干の中弛み感はあるが、終盤の展開を考えればやむ無しか。恋愛系パスティーシュが好きな方には特にオススメ。2012/07/30
冬樹
2
ホームズ女性化パスティーシュ。舞台は20世紀に突入したロンドン、ワトスン三度目の結婚を経て、引退したホームズ五〇歳をひかえた年。ワトスンとの共同生活の中、自身の性別を得意の変装技術でひた隠しにし続けていた。19~20世紀、イギリス社会の女性の生き方を、否定するように生きたシャーロック(ルーシー)・ホームズが、愚直で女性に弱いワトスンにやきもきする。純愛で切ないエンディングだった。2020/02/01
山内
2
結末にしっかりダメージを受けながら読了…うおお… ホームズが女性である必要はどこにあるのか、と言えばそれまでだけれど、登場するキャラクターもストーリーも(良くも悪くも)ホームズ的ですんなり読めた。ワトスンと「ルーシー」の会話には、読んでるこちらがどきどきさせられた。ホームズが自分の気持ちを必要以上に語らないので、余計に色々と思い巡らしてしまう。好き。2014/04/25
natsu_san
2
今更ながら初読。ワトスン情けない!ホームズさんがワトスン愛してることなんて読者はとっくに知ってましたよ!と叫びたくなってしまった。しかし50にして少女のように自分を見つけるホームズさんの可憐さよ…。2011/09/21