出版社内容情報
藺草買い付けに訪れた中国奥地のへんてつもない寒村が、あの伝説の桃源郷だった? 日中五千年の歴史を自在に駆ける想像力の極致
内容説明
夢と現実、虚構と伝説…。日本中国五千年の歴史を自在に駈け巡る想像力の極致。芥川賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かみぶくろ
90
何が一番驚くって、けっこう高名な作家のデビュー作と芥川賞受賞作の二本立てなのに、この読メ登録数の少なさに驚く。芥川賞受賞の標題作「村の名前」は、中国の人里離れた山村に畳の藺草を買い付けに行く日本人商社マンが、いつしか現実と幻想が揺らぐ不思議な体験を味わっていく話。もう一編の「犬かけて」は妻の浮気を疑う夫が妄想的な世界に巻き込まれていく話。いずれも、個人の認識が世界を改変させ、現実を歪曲していく展開だが、なんだろう、文章も達者で興味深いテーマだとは思うんだけど、読後の感想があまり浮かばない。2020/04/10
メルコ
5
ここ数年立て続けに読んでいる辻原登の芥川賞受賞作。「い草の買い付けに中国の奥地にある"桃源郷"という名の村にやってきた商社マン。肝心のい草はみあたらず、村主催の歓迎会が催される。犬を使った料理に怯え、見かけた地元の女に心を傾けていく」近年の作品に見られた未知の土地を訪れた男が未開の文化に魅入られていくという物語がみられる。やや硬質な印象。併録の「犬かけて」は失踪した弟を探す傍ら、東京の片隅で女と暮らす男。男はミシンのセールスをし、女はキヨスクで働く。著者のデビュー作で観念的なところが目に付き少し野暮ったい2020/12/22
Freak Zappa(アレクセイカラマーゾフという名で音楽活動してたよ)
2
クトゥルフ的な恐怖感があって面白かった■芥川賞2024/08/07
OMO
1
面白さ:○ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:△2024/01/17
澤水月
1
900811 おそらく芥川賞受賞作として文芸春秋掲載時読んだのかと思われる