渇水

渇水

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784163119403
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「停水執行」──水道料金の滞納家庭を訪ねて水を停めることを任務とする市役所係員の眼を通し、人の世の哀しみを鮮烈に刻む感動篇

内容説明

水のように生きたいと思いながら干涸びてゆく人々―。生の哀しみを見据える名篇。文学界新人賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シナモン

122
映画化された表題作を含む四つの短編集。どれも死の気配漂う重く暗い物語ではあったけど、文章は軽快で読みやすく嫌いな雰囲気ではなかった。「渇水」はギリギリの生活を送る幼い姉妹と、料金滞納により給水停止措置を執行する水道局員の物語。やるせなさでいっぱいな結末。映画ではどう描かれるのか。最近暗いのはあんまり見ないんだけど、これは見てみようと思います。 2023/06/10

mike

80
生田斗真の映画が公開される前に原作を知りたくて読んだ。芥川賞候補になったというが独特の文体は、あ〜なるほど。水道職員の岩切が主人公。彼は長期間水道料金未払の家を訪ねるが、支払いに応じない場合は停水執行するのが仕事である。訪問先では恫喝されたり留守にされたりの繰り返しで徒労に終わる。何とも嫌な仕事で岩切の苦悩が手に取るように伝わる。そして、ラストの後味の悪さ。何故この作品を今映画化しようとしたのだろう・・・他3編の話も全て死の話で重く暗い。私は何を読まされたのだろう?こんな読書は困る。疲れた。2023/04/21

アマニョッキ

44
表題作他3篇。『渇水』目当てで読んだが、素晴らしかった。収録全篇を通して社会への恨みとも諦めともつかない感情が渦巻いているのだが、文章はわりとドライ。その異質さがまた胸にくる。自分もからからに乾いた気持ちになったり、腰まで冷水につけられたようになったり、肌で感じる読書だった。世の中にはまだすごい作品がたくさんあるんだとあらためて実感。これを見つけた白石和彌監督の目線が素晴らしいと思う。んで生田斗真でしょ?傑作の予感しかないじゃないか。2022/02/27

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

23
水道料金を滞納した家庭の水を止める業務にあたる自治体職員の姿を描いた表題作をはじめとする短編集。孤立死の報道が続くなか、表題作にひかれて手に取ったが、期待していたものとは違った。この作品では、ある滞納家庭に悲しい結末が訪れるのだが、その家庭の生活実態がいま一つわからず、不完全燃焼ぎみ。主人公の心象風景が中心なのかもしれないが、切実な実態があり、そのうえでの苦悩があれば、現実の問題との絡みでグッとくるものがあっただろうにと思うと残念な印象が残る。他の作品も心象風景が多く、いま読みたい本ではなかったかな。2012/03/16

manamuse

21
湯道に続き、読友さんからの情報で生田斗真主演で表題作の映画が公開されていると知り、今回は見に行く前に読んでおくパターンにした。え?短くない?これは映画の方が魅力的かもしれない…。2023/06/13

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