出版社内容情報
黄金丸の船大将笛太郎はシャムを本拠地とする海賊のマゴーチと出会う。マゴーチは笛太郎の実父、二人はやがて宿命的な対決をする
内容説明
直木賞受賞作「海狼伝」の続篇。黄金丸の船大将笛太郎は南の国ジャワに旅立ち、やがて明国海賊の実父と対決する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊
21
前作「海狼伝」で大きく成長を遂げた主人公一行の新たな海洋冒険譚。日本近海から南海へと冒険の舞台は移り、大航海時代をイメージさせる程に、物語のスケールが大きくなった。また、美化されがちな海賊を俗化し、その”業”を、主人公も含めてしっかりと描いている。ストーリー展開には若干の都合の良さを感じるけれど、全体の質の高さから見れば些細な事だろう。続編がないのが本当に惜しまれる、非常に面白い作品だ。 2015/01/07
ちゃこ
2
『海狼伝』の続編。【初出『週刊文春』1989年5月14日号〜1990年3月22日号】 天正7年(1579)9月〜1580年5月。能島小金吾の遺志をついで交易の為に明へと向かう笛太郎。新たな仲間・龍神牛之助らも加わり、舞台は日本から大海原を越えスケールはますます大きくなっていく。父と思われる明国海賊頭目・馬格芝との運命の再会はあるのか?と期待大で読み始めたこの作品、期待をはるかに越えた面白さ。前作を上回る傑作。/[2014ー122]2014/06/07