出版社内容情報
何人もの子供を残して夫に家出された女の人生と、離れてはまた相集う家族というものの不思議。小説作法の巧者がえぐる人生の真実
内容説明
そこから逃げたい離れたい。てんでんバラバラでいるようで。でもみんなが舞い戻ってくる。そこがホームシック・レストラン。家族とはしっしょに食卓をかこむこと?妙におかしい家族の不思議。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秀玉
17
(ここに記すのは購入か、購入予定本をスパなどで読んだ記録です。あらすじや、他人にみてもうら為のものでは無く、読んだか、途中で読むのを断念した感情や思い、つまらない理由を書いています。)さてこの単行本はどういった理由や思い、もちらん面白いと思って買ったのだろうけど、あらためてそんなことを考え、感じながら第1章(母親の回想らしい)を読む。そして止めた。読みながらどこから美味しい料理が出てくるのだろうと思っているのだけれど、この小説に美味しい料理は出てこないのね。きっと家族の絆って良いねで終わるのだろうけどね。2024/04/24
Acha
10
ぎくしゃくとかみ合わない家族の物語。長年の心の積読本をついに。老いた母親と3人の子どもたち、時を遡ってそれぞれの視点から描き出されていく家族の姿。すれ違ったり屈折したりして愛情はこじれていくけど、繋がり続けるほろ苦さ。地図上の距離がそのまま心の距離になった時代を思い出す。でも全然古びてなくて。特に大きな出来事が起きるわけではなく、時が重なっていくだけなのに一気読み。甘すぎるタイトルが、そう甘くないストーリーを読み終わった後はしっくりくる。しみじみ良かった!2015/02/08
takao
3
ふむ2024/09/01
ペンギン
3
相変わらず安定して面白いアン・タイラー。いくら家族といえども全員が全員仲がいいわけではないし、かといって本当に憎んでいるわけでもない。その微妙な人間関係の具合を描かせたらこの人に勝る人はいないのではないか。そう思わせるほどの傑作。登場人物全員に味があり、全員に共感してしまう。フランゼンの傑作『コレクションズ』にも似ていて(もちろんフランゼンの方が後だけど)、フランゼン好きとしてはたまらなかった。自分は古本屋で入手したのだが、こんな優れた本が絶版なんて!復刊して多くの読者に読まれることを希望。2014/05/02
きうりっち
2
死期にある母親は自分の結婚のことを思い返す。三人の子供を残して家を出て行ってしまった夫。その後ひとりで働きながら育てた子供たちはそれなりに成功を収めるが、それぞれ個性が強く、扱いにくい。ある一家の歴史を三人の子供たちそれぞれの視点から振り返り、悲喜こもごものエピソードにより三人の人生や考え方やまわりの人間とのつながりなどが語られていく。最初は時間がかかったが、だんだん面白くなっていった。常に弟に嫉妬する兄とひどい扱いを受けても気弱に許してしまう弟の関係に兄弟というものの原型を見る気がした。2020/08/28
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