出版社内容情報
ベトナム戦争、テロル、学生運動……六○年代の影を背負いながら核の時代の生を問う。フルパワーで現代を描ききった、注目の長篇
内容説明
荒々しく、骨太に、核の時代をサヴァイヴする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
41
細かな物語が入ってくるというより、殴られているような感覚に陥りました。2022/05/31
DEE
3
細かなストーリーがどうこうではなく、全部でガンガンと殴りつけてくるような感覚。 面白いというより凄まじい。 正直言って下巻も進むにつれ内容を追いきれなくなってきたけど、そんなことをとやかく考えるより勢いで読み切ってしまえ、と開き直って読了。 ティム・オブライエンは「本当の戦争の話をしよう」「世界のすべての七月」を読んだけど、この二作は内容を楽しめる作品だった。 念のため。2017/08/06
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
2
村上春樹訳
Kohn
0
1960年代以降のベトナム戦争、東西危機、核戦争の危機という背景が前提となった精神修養の小説。その背景を知らない世代では、共感を得られにくいだろう。出てくる誰一人として共感を持つことはできなかった。何が現実か、非現実なのか混乱してしまう。2015/03/23
たけし
0
核の時代の「魂の総合小説。」読書中は非常に心が揺さぶられた。それは、「普通」が「正常」かどうか疑わしくなるからだ。実際、原発は放射能を撒き散らしたのに、そこから離れた土地に住む僕は、それを普段は考えない。戦争やテロ、殺人は起こっているけど、僕は深夜にコンビニにだって行く。本当に知ってるなら、僕の日常は正常か?現実を直に見てしまったら、不安になる、普通ではいられないはずだ。この小説の主人公を見ていると、プラトンの洞窟の比喩を思い出す。それは、このようなことを言っていたのかもしれない、と。2012/12/08