ダイヤモンドダスト

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ダイヤモンドダスト

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784163108506
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

死は人間の定め……逝く者と残される者の生と死をめぐる苦悩を、別荘地開発で荒廃が進む高原の病院に勤める看護士一家の中に描く

内容説明

都会化し荒廃する、火の山を望む高原の“ふるさと”で、逝く者と残される者と―。生と死を見つめ人生の真実をまなぶひたむきな真剣さが心うつ。第100回芥川賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

45
芥川賞受賞の表題作含む4編。うち3編は佐久総合病院に勤務する医師である作者の、カンボジア難民キャンプで働いた3ヶ月の経験が元になっているようだ。ストーリーを追う物語ではない。尖っている様に思う。作者とは感覚が違うのか。言葉や行動に意外に思うところが多い。「ダイヤモンドダスト」の最後の一文は、今まで読んできた小説では書かれないようにも思う。でも、それだからいいのかもしれない。余分なことのない淡々とした硬質な文に心惹かれる。2017/06/01

tu-bo@散歩カメラ修行中

37
読書メーターの読み友さんの感想を読んで手にとりました。著者の名前は存じ上げていたが、初 南木さんです。まず 文体が、静かで、無駄な修飾がなく、骨太で温かく、読み易かった。作品は4編の短編からなり、著者の3か月のカンボジア支援が、作品のモチーフになっているようです。特に最後のダイヤモンドダストは、過剰な記述も無いのに心象に森が浮かんでくるような不思議な感覚をもちました。エピソードの使い方も印象的で良い読後感を持たせてくれます。海外に向けた医療支援のあり方についても考えさせられました。AC図書館本。2018/04/02

sakadonohito

11
芥川賞の表題でもある「ダイヤモンドダスト」だけ読んだ。軽井沢近辺を舞台にしたのかな?もしかして著者の住む佐久?と思いながら読んだ。人生を諦めたような主人公の冷めて淡々とした情景と言動もあって終始しみじみとした雰囲気は読んでいて心が落ち着く感じがした。純文学読み慣れた人ならばもっと多くのことを読み取れたのだろうか?結末を知らせずに内容について語るのは難しいですね。2024/04/22

chroma

3
「冬への順応」「長い影」「ワカサギを釣る」と芥川賞受賞作の「ダイヤモンドダスト」の4話。著者が勤務している佐久市の病院が舞台のようだ。「ダイヤモンドダスト」は和夫の父親の松吉と末期癌のマイクの交流が、静かななかにも感動を呼ぶ。信州の病院とカオイダン難民キャンプの対比。 タイ・カンボジア国境での難民医療活動が、その時点はもちろん帰国してからもPTSDのような症状を起こさせる、過酷なものだというのがわかった。また難民といっても学歴のある人もいて、政変によって自分の生活や運命が翻弄されていく無情さを想う。2022/08/05

3
【図】信州の田舎町を主な舞台として綴られている短編集。生死すべてを包み込むように淡々としていて美しい文体で読みやすかった。センター試験の小説に出題されていた『冬への順応』が気になって手に取ってみたけれど『ワカサギを釣る』が、結末が4編の中で明るく思えるので好き。2011/02/26

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