出版社内容情報
楽屋での団十郎点描、家に出入りの気の合った職人達の、そつのない対応としたたかな生き方、また在原業平考など、珠玉の遺作文集
内容説明
身をやつしかりそめの姿でこの世を生きたあの人この人。ともに過ごした歳月をふりかえり、その人生の誠実さと真実にふれる珠玉の作品集。「伊勢物語 東下り」を写す著者の筆蹟を復刻し独自の在原業平観を添える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
9
俳句の本で引用されていた縁で読む。最終章の「伊勢物語の旅」は目新しさも何もないが、文學界、新潮、文藝春秋に掲載された4編はどれもしみじみといい。先代海老蔵との交流、出入りの職人さんたちとの気の利いたやりとり、今はもう廃業なさった呉服屋さんのお人柄。NHKのアーカイブにあった著者のインタビューを観て、なるほど、気概というものを感じさせる芯のある方なんだなと得心した。それにしても33年前の本が廃棄されずにあったことに感謝。読メの表紙はまるでローマ字学習テキストみたいで情けないけれど。2021/09/23
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