出版社内容情報
勇魚とは鯨の古名。滞日十余年の著者が、隻腕の鯨さしの青年甚助の野望を軸に、幕末に生きる日本人の西洋との出会いを骨太に描く畢生の冒険海外雄飛青春ロマン!
内容説明
日本の将来を案じ、海防の要を説く和歌山藩士定頼の密偵となって琉球に身をひそめた後、甚助は中浜万次郎と邂逅、目を世界に転じ、海こそ自分の生きる世界だと確信する―。甚助改めジム・スカイを通して近代日本の黎明を描く歴史絵巻!幕末の青春冒険歴史ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぺたろう
7
読了。背美流れの遭難事件の発生前から、日本沿岸への大型鯨類の来遊が減少し、思うように捕鯨ができなくなっていました。古式捕鯨の衰退と、江戸末期〜明治初期の変革は、こんな風に重ね合わせられるのかと再認識。また、著者の日本に対する造詣の深さと、翻訳者の力量に脱帽です。翻訳本にありがちな読みにくさは全くありませんでした。2023/07/20
もり
2
名作。最後の場面のためにこの物語は書かれてきた。
みねお
1
激動の幕末時代を一人の鯨捕りの数奇な人生を通じた描いた物語の下巻。熱い男たちの息吹を感じる。
ひらぱー
1
☆☆前半の勢いから下巻は勘助の大人ぶりがちょっと残念。でも当時幕末の地方の様子を想像ながらしっかりと描いた外人さんはすごい. 龍馬の他にもこういう人がいないと実際には無理だったのではと思いますねえ。2015/02/07
rincororin09
1
何度目かの再読。海洋歴史冒険活劇・・・っていうカンジ。日本を愛してくれてるニコルさんの作品ですが、やはり、これを書いたのが外国人というのがちょっと信じられない。幕末の激動の時代の中にあって、主人公の痛快な生きざまと、取り巻く人物たちの繊細な心の動き・・・。やっぱり面白かった。2014/10/22
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- 和書
- 死んでしまう系のぼくらに