出版社内容情報
乳房に三日月形の小さなあざのある彼女は、十八歳の現在にあって八歳の小女の頃へ、また未来へ。時空を超えた心の旅人──。詩人が初めて描く抒情溢れる青春小説
内容説明
少女と女性のはざまでゆらめく、残酷なまでのイノセント。感性の深みに触れる、哀しいほど痛い青春の日々を、シンセサイザーのように透明でソリッドな文体で描く幻想小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白河清風
27
(再読)中島美嘉の歌う「Crescent Moon=三日月)の作詞は松本隆です。この詞の意味を考える上で参考にしたいと思い、この小説を読みました。でも、小説の主人公は少女と女との狭間で揺れ動く痛いほど純粋な女の子ですが、詞の方の主人公は恋に情熱的な女性で、大きなギャップを感じました。小説の中に、「私のなかの白い猫が、心の内側で鋭い爪を立てていた」の表現を見つけ、両方に共通している表現だと思いました。小説の中で女友達との旅館での会話は、秀逸です。松本が女性の気持ちのわかる詩人と言われる所以です。 2022/02/09
眠りスナメリ
5
中学生の時に読了。淡々としていて意味があるような無いような、そして唐突にファンタジックな結末が来る。当時の自分には不思議と嵌まった作品。
わびすけ
1
少なからず僕の人生に影響を与えた本。親の離婚問題への心の葛藤が印象に残っている。