出版社内容情報
「泥の河」で太宰賞、「螢川」で芥川賞を受賞した著者が、持前の物語作りの上手さを生かし、青春の悲しみを描き尽した七つの短篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
70
1970年頃の大阪、青春の切なさが伝わってきます。浪人生の出てくる作品に、流転の海のノブを重ねて読みました。2016/10/02
mana
3
大阪の情景を思い浮かべながら読んだ。若者特有の、怠惰さ、恋慕、学生時代の延長のような感覚で進むのかと思いきや、一星々の悲しみに出会い、屈託のなかった彼らが、各々の道を模索し、苦さをも背負って歩いていく。 青春は、どこか暗さを含んでいると思うけれど、この話は、ある種の爽やかさを教えてくれた。 星々の悲しみから、自身の道を模索することにより、主人公が、紛れもない一陣の希望を選択したことによるのだと思う。2017/03/06
ユキちゃん
1
1970年頃の大阪の街が懐かしい。当時の若者のやるせない心情が良く出ている。2015/12/19