出版社内容情報
恩賞目当の武士と権威保持に汲々たる公家。武家時代開幕の前夜、源平公家三巴の争乱の中で、政治に疎い軍事の天才義経の歩む悲劇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きたぴー
6
「逆説の日本史」で引用が多く気になり本書。戦国幕末明治以外の司馬氏は初めてかも。井沢氏も義経の記載は本書を参考にしている様子。頼朝・義経の思考の違いを鮮明にするため、単純化しすぎて深みに欠ける感はあったが、それぞれの育ちや立場からくる相容れなさ加減は良く分かった。しかし感動の再開直後から危険視されていたとは。頼朝に領地や家臣団(すなわち包容力)があればと思うが、無いからこそ関東武士団の御輿になれた訳で、歴史の不思議・面白さか。自分は天才&ピュア過ぎ義経結構好き。平知教も格好良いが宗盛が兄であった悲劇(涙)2021/07/16
MEPHISTO
1
落とし物受け取りに警察署に行ったら、本棚にこれが有り、義経好きな自分は本屋へ急いだのでした。本書での義経は、かっこいい英雄像でもなく、ゲームのキャラのように美しくもありません。色白で背も低く、歯が出たみすぼらしい様相です。悲劇の英雄としての義経を求める人はがっかりするかも知れません。ただ戦にだけ長け、その先進制が誰にも理解されないまま。勝つ為の手段を優先し、他の武士への配慮は出来ず、寵愛にはひたすら甘えてしまいます。一所懸命、恩賞ありきの時代を感情だけで不器用に生きた等身大の義経、血だけを頼りに武士を纏め
Mentyu
0
え、そこで終わるの!?という尻切れトンボな印象を受けてしまった。結構な大長編の作品なのに、終わり方が打ち切りマンガなみに中途半端になっている。この一点で、だいぶ作品としての評価を落としてしまっているように感じられる。2021/08/07