出版社内容情報
擾乱の京都を舞台に、だんだら羽織をまとった最強剣客集団の軌跡を描いた司馬遼太郎の傑作連作集を、『墨攻』や『戦国自衛隊』で知られる時代劇画の第一人者・森秀樹が激烈コミカライズ!
第2巻に収録するのは、「虎徹」「前髪の惣三郎」「海仙寺党異聞」の3編。
「虎徹」は、新選組局長・近藤勇の愛刀虎徹が実は贋作だった、という話。新選組の評判が洛中で高まるにつれ、近藤の虎徹も浮浪志士たちの間で恐れられるようになった。偶然、近藤は本物の虎徹を入手するが、実戦ではまったく斬れなかった……。
「前髪の惣三郎」は、新選組に入局した加納惣三郎という若者をめぐる物語。女と見まちがえるような美貌の剣士をめぐって、新選組のなかで時ならぬ“同性愛騒動”が勃発、それが殺人事件に発展してしまう。
「海仙寺党異聞」は、争いを好まず、会計係として新選組に入ったはずの長坂小十郎が、なぜか敵討ちに駆り出されてしまうという一篇。
『新選組血風録』は、週刊文春において2018年3月から2020年2月まで2年間にわたって連載され、動乱の京都を彩った剣客集団の群像描写と、緊迫感溢れる殺陣シーンが大きな反響を呼びました。
司馬遼太郎・森秀樹コンビによる「文春 時代コミックス」シリーズとして、6月刊の『幕末』を皮切りに、7月に『新選組血風録 一』、8月に『新選組血風録 二』、9月に『新選組血風録 三』を連続刊行する予定。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
34
劇画調なので、読んでいてタイムスリップをしたような気にもさせられる。お笑い芸人の小峠や他にも明らかに役者と思われる方々が登場しているあたりもみどころ。★★★☆☆2022/08/17
KDS
6
司馬遼太郎の原作小説より、「虎徹」「前髪の惣三郎」「海仙寺党異聞」の三話を収録した第ニ巻。「海仙寺党異聞」に登場する長坂小十郎が何故かバイきんぐの小峠英二そっくりに描かれていて、作中で何度も「なんて日だ!」を連発する。ギャグではなく大真面目にこのセリフを言うので思わず笑ってしまう🤣。それにしても森秀樹という漫画家は、デビューの頃はもっと少年マンガっぽい絵柄だったと思うが、いつのまにか小島剛夕や平田弘史風の「ザ・劇画」タッチの絵になっている。ここまで絵柄がガラリと変貌した漫画家も珍しいのではないだろうか。2022/10/30
もくもく
3
「今宵の虎徹は、血に飢えておる…」って有名なセリフは、一体どこが出典なんでしょうね? 「虎徹」が良いなぁ…。 2021/10/14
kiiseegen
3
原作15編より、「虎徹」「前髪の惣三郎」「海仙寺党異聞」の3編を収録。なんて日だ・・・のイメージが強烈。2021/08/26
三枝直彦
0
「海仙寺党異聞」長坂小十郎のモデルは小峠英二氏だがこれが実にマッチしている。新選組と水戸の暗闘。普段朴訥としている長坂が赤座達を冷静に始末していく展開。鬼の土方も今回ばかりは長坂を逃がす優しさ。一巻収録の「長州の間者」、三巻収録の「胡沙笛を吹く武士」同様森先生は架空の無名の隊士への思い入れが相当強く各章共名章で有る。井上源三郎主役回「三条磧乱刃」は読む前から名章と思っていたが連載が打ち切りになってしまい。漫画化されず残念で有った。 2025/04/30