出版社内容情報
西南戦争への気運が高まる明治初期。鏡心明智流の奥義を極め武市半平太の再来と謂れた東京警視庁の浦木啓輔に、大久保利通から「西郷暗殺」の極秘指令が下された。コードネームは<狐>。しかし、幼馴染で因縁の宿敵・桐野利明が示現流の剛剣で立ちふさがる。浦木の「品格」と桐野の「野生」が激突する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まんだよつお
8
西郷隆盛を扱った作品は、暗殺未遂事件をはじめ多くのif作品が上梓されていますが、それらと肩を並べるにはまだ力不足、役者不足。わき道、寄り道が多すぎて、せっかく盛り上がってきたところでの肩透かし。リアルな剣戟シーン描写など、これはと思わせる個所も多くあり、背後の歴史的事実をよく調査していることは評価できますが、知っていることすべてを詰め込んでしまうことで、全体的にうす味となってしまっていることは否めません。捲土重来を期待する次第です。 2022/01/20
エル
3
『息を飲むスリル。心に焼き付くサスペンス。』と帯に書いてあったけど、残念ながら私には合わなかった。何度途中で止めようかと思ったか。何というか文章が唐突な感じ?もしかしたら西南戦争、抜刀隊の中に藤田五郎の名前でもあるかと思ってそれだけを期待したんだけどついに最後までその名前は出てこず(笑)スパイアクションの傑作という割にはあっさり情報抜かれてるし、どこにスパイ要素があったんだこれ?
むらて
2
人からの借り物。なので最後まで読まなければ、との義務感だけで読み終えました。そうでなければキツいです。こなれていない文章、無駄な上に明らかに誤りな表現も散見する説明・蘊蓄、散漫で血肉の感じられない人物描写、意図はあるのだろうけれど分かりづらく意味不明なだけの薩摩弁表記の有無(何故主人公・ヒロイン周辺は標準語なのか?)、凡そ国家的密謀とは思えない杜撰で稚拙な人々、勢いも現実味もない殺陣描写、etc.〜 まず文章を研かないと長編で読むのは厳しいですね。2022/04/29