出版社内容情報
戦死した伯父への追慕、公民館行政など、戦後を逞しく拓く遺族を活写する短編小説。「時代の引継箱」「天運」など3作を収録。
南太平洋で戦死した伯父への思いは尽きない。主人公は地元・埼玉県、そして全国の生涯教育(公民館活動)の第一線に永年たってきたが、伯父への追慕の念は、年毎に強まっていく。いまの自分にできることはなにか。いま、なにをすべきか。自問する主人公。老齢化する戦艦武蔵の戦友会の方々との交友を縦軸に、一族の戦後の暮らしと営み、現在のすがたを横軸に配して、「戦後という時代」を鮮明に描く短編小説集。「時代の引継箱」「家族たちの武蔵」「天運」の3作を収録。