内容説明
「勉強が終わるまでトイレ禁止」「なんでお兄ちゃんやお姉ちゃんができて、あなただけできないの?」教育虐待とは、教育の名のもとに行われる違法な虐待行為だ。それは子供の脳と心をいかに傷つけるのか。70年代に本格化した受験競争、そして大学全入時代の今にいたるまで、ゆがんだ教育熱は社会の変化の中でどのように生まれ、「奈良県エリート少年自宅放火事件」「医学部9浪母親殺害事件」などの悲劇をもたらしたのか。多角的な取材から現代の闇を照らし、親子のあり方を問う。
目次
第1章 子供部屋で何が起きているのか―教育虐待を「定義」する
第2章 脳と精神を蝕む教育―医学の観点から
第3章 時代に翻弄される家族―受験戦争と教育虐待
第4章 「あなたのため」というエゴイズム―虐待親の心理
第5章 教育虐待、その後―ひきこもり、非行から自殺、PTSD、虐待連鎖まで
第6章 支援者たちは何を感じているのか―回復にいたる道
著者等紹介
石井光太[イシイコウタ]
1977年、東京生まれ。作家。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執筆活動を行う。2021年、『こどもホスピスの奇跡』で新潮ドキュメント賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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