出版社内容情報
ボノボの乱婚やラングールの子殺しから始まり、第5のジェンダーまであるブギス、人生の一時期に同性愛的な性行為をするサンビア、複数の父親で子どもの面倒を見るベネズエラの先住民バリ……。人類の「性」の多様性を通じて、人間そのものを問い直す
【目次】
内容説明
大変身近なことなのに、口にすることが憚られる「性」の話題。私たちにとって「性」とは一体何なのでしょうか。本書でお話しする《セックスの人類学》では、生物進化と比較文化の2つの視点から「性」を見ていきます。私たちと同じ霊長類であるボノボやラングールとヒトのセックスはどう違うのでしょうか?同性愛やフェティシズムの起源はどこにあるのでしょうか?長い年月をかけ人類が獲得した多様で特異な「性」を眺め、人間存在そのものについていま一度考えていただけることを願っています。
目次
序章
第1章 どうセックスを捉えるのか?
第2章 特異な人類のセックス
第3章 多様な人類のセックス
第4章 複雑化するセックス
第5章 加工されるセックス
終章 文化相対主義を超えて
著者等紹介
奥野克巳[オクノカツミ]
1962年生まれ。人類学者。立教大学異文化コミュニケーション学部教授。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。2006年より、ボルネオ島の狩猟民プナンのフィールドワークを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
YT
12
〈性〉を考察する縦軸として生物進化的視点(生物のセックス観など)、横軸として比較文化的視点(文化人類学的なセックス観など)を導入し講義スタイルで色んな名著に依りながら、文化相対主義vs価値普遍主義の対立を乗り越える視座を描き出す試みであった。セックスが社会に、社会がセックスに与える影響みたいなものを考えざるを得ない。 著者が編んだセックスの人類学も読んでみたいな。 あと、性を巡る議論を考えるうえでフーコーは読まないとなという気にさせられる... 内容に関係ないけど初のハヤカワ新書だった。2026/07/28
駿河
7
人間の性文化・性行動を生物深化的視点(縦軸)と比較文化的視点(横軸)から捉える。世界中でジェンダーに関する様々な議論、それぞれの「普通」が主張されたりしているが、縦軸で見ても横軸で見ても一夫一妻制が必ずしも普通であるとも言えないらしい。霊長類で比較したとき、人類は発情兆候を持たないことと父性が存在することが特殊だという話と、身体変工の話が興味深かった。女子割礼/女性器切除の話から、文化相対主義と価値普遍主義の対立構造、多自然主義という考え方の提案。自分にとって新視点な内容が多かった。2026/01/30
たいこ
5
ゴリラや人間などの一部の霊長類のメスには発情兆候がない。だからオスが発情するために同性愛的行動が生まれた。ゴリラはハーレム集団やから発情兆候不要。雄雌が複数いるボノボの集団は発情兆候が必要。雄に子殺しをされないため父親を特定できないよう乱交型。ヒトは発情兆候がないから雄は雌と子を置いて狩りに行けたし、一夫一妻制で子殺しを防いだから、雄同士が協力できて文明を築き上げた。その他、割礼について部族の文化か人権かという視点があったけど、私は同意できない子どもにするのは虐待やとしか思えない。2026/07/26
おさと
5
文化のありようというのは面白い。興味深い!「普通」というフィルターを外してい生きたい。2026/04/07
コピスス
5
人間の性愛行動を、生物進化的視点と、比較文化的視点とから考える。現代でも性愛行動が個人の領域ではなく共同体の知恵が支えている文化もある。儀礼的な同性愛、不幸や災いを避けるための儀礼的セックス、父性をセックスで分割することによってその子どもが生存する確率を高めるなど。一夫一婦制がノーマルというわけではないと感じた。2026/03/27




