出版社内容情報
物質の塊にすぎない脳に、なぜ意識が生じるのか? 「私」を機械に移す方法とは? データになっても「大往生」できるか? マインドアップローディングの実現を目指す脳科学者と「心の哲学」の第一人者が、意識という「究極の問い」に真正面から挑む対話録。
内容説明
細胞の塊にすぎない脳になぜ、「私」という意識が生じるのだろうか―人類が古来より魅入られてきた問いがいま、ブレインテックの急速な進展にともない新たなフェーズを迎えている。意識を機械に移す「マインドアップローディング」はどのように実現可能か?アップロードの前後で、同じ自分といえるか?避死の技術を手に入れたとき、それでも幸福に「生き切る」ことができるか?心の哲学の蓄積と神経科学の新知見を交差させ、意識という「究極問題」に迫る。知的興奮に満ちた対話録!
目次
第一章 意識という「究極の問い」を問う
第二章 哲学の意識、科学の意識
第三章 「脳と意識」をめぐるテクノロジーの現在地
第四章 自己同一性とは何か
第五章 アップロードで根本から変わる「人間」のあり方
第六章 アップロード世界のウェルビーイング
著者等紹介
信原幸弘[ノブハラユキヒロ]
1954年、兵庫県生まれ。東京大学名誉教授。専門は心の哲学
渡辺正峰[ワタナベマサタカ]
1970年、千葉県生まれ。東京大学大学院工学系研究科准教授。専門は神経科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
40
物質である脳の働きから、どうやって意識が生まれるのか。ひとつの方法は、物理法則としての世界ではそういう約束になっているとしてしまう方法。……なのだが、そう言われて問を避けても少しも腑に落ちない。対談する著者二人が言うように、これは答えがないのかもしれない。かなりページを費やして、記憶を機械に移し替える試みについて議論されているが、この場合機械に意識は芽生えるのか。というより意識があることをどう確かめるか。そこに行きつくまでにぶつかる問題がいくつもありそうだ。しかし現在、ここまで肉薄できていることも驚きだ。2025/11/16
ねこさん
9
思っていたより興味のない領域だった。残念。2025/07/04
holyberg
6
完全に理解したとは言えないけれどもう一度ゆっくり紙で読んでみたいと思う対談でした。アメリカのドラマでuplodeというのがまさにありましたね。あそこでいくつかまさに対談の中で出てきたような矛盾?状況もありました。この議論何に役に立つの?と言ったらおしまい。こういう対談(闘い)は本当に大事だと思う。AIが相当に進んできているのでますます重要な研究だと思うのでした。2025/12/09
halow
3
新書なので意図的に踏み込んだ話は避けているのだろうが、あまりに地に足がついていない議論が多く、荒唐無稽な印象が勝ってしまった。2025/12/10
MS009
3
うーん。ワタシにはタラレバの応酬だけに見えてしまった。もう少し、定義的に確固たるものがあるのかと思って読んだので、その意味では期待外れでした。2025/11/29




