内容説明
ほんとうは、こんなことになるはずじゃなかった…。グーグル・ブック検索にはじまる書籍電子化の急激な波に直面した一人のSF作家が、自分自身を取り巻く状況をリサーチ。そこに持ち前の想像力を加味して綴っていった日々の雑記は、いつしか文明論の様相をも呈し始めていた―Googleとは一体なんなのか、電子書籍の真の衝撃、Web時代の著作権から、有体財と無体財の相克、ついには人類文明の行き先まで。日々、生起する情報に精緻な考察を加えつつ、いつのまにかこれからの世界を生き抜くための「思考法」までも提示してしまう、現代人必読の書。
目次
アメリカ最大の産業は、自動車でも軍事でもなく
われら銀河をググるべきや(その00)
GGG(その06)ラファイエットの子供たち、もしくは新たなるTweegle千年紀を礼讃してみること
GGG(その07)「世界’を我が手に!」
GGG(その10)スキャナーに生き甲斐はある、もしくはグーグル書籍サーチにちゃんと対抗する方法
GGG(その13)絶版郷便り、あるいは書物アポトーシスについて
GGG(その14)ペンギン、プロ野球、および諸文明の“生産性”について
GGG(その16)委員長から一言
GGG(その21)“事実ゼロ”の彼方へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
13
2010年刊行。10年以上前に 「ハヤカワ新書juice」というレーベルがあったとは知りませんでした(そんなに冊数は出ていない模様) グーグルのブック検索と急激な電子化という事態に著者が、それに関連した様々な考察を した本。グーグル・ブック検索について、日本のマンガは対象になるか、発禁や回収されたものも対象となるか等、著者が提示する疑問、 そもそものグーグル書籍サーチに対抗する方法など興味深かったのですが、ブログを元にしたためか、横書きなのが 自分には合わず、読みにくかったです。2023/12/14
Yuji
7
ブログ本なので、それなりの面白さと、それなりの限界が。しかしこの手の本も一時期の勢いがないように思える。さて今時代はどっち向いて行ってるのだろうか?2015/05/09
kobaatsu
5
夢と妄想にあふれた明るいディストピアはもうまだら模様にやってきているよ。もちろん、プライバシーも(いまでいうところの)著作権がない世界がディストピアに見えるのは俺達が考えを変えられないからそれがディストピアに見えるだけだ。と、いう、とても楽しい一書であります。世界から一周遅れにされてる感にひたれます。2010/09/15
kogiku
3
本に関わる仕事のいちばん川下で働いてると、著作権という概念が揺らいでるなあ、と思わされることが最近多い。それは遵法精神の揺らぎではなく、まったく違う何かが生まれつつあることの余波なのかもしれない、と思わされた。すごい本だと思う。Googleとtwitterを使ってる人は必見。いいとか悪いとか、そういうことじゃない。2010/09/13
miruna
2
インターネットの叡智を駆使して新品を正規の手続でおよそ90円で手に入れた。リンク踏めないのでこの手のURLが出まくる紙の出版物はうんこという結論に。2010/11/12